クロノくん、悪戦苦闘?


   




「…この」
「ああ、だめだよクロノくん、力いっぱいやっちゃ」
「そ、そうなのか?」
「そうだよ、軽く空気を入れるように」
「こ、こうか?」
「そうそう、上手上手♪」
現在クロノはエイミィに習いながらクッキーの作成中
なぜか、もうすぐホワイトデーだから
例年通りフェイトにチョコをもらったのだが、そろそろ返したほうがいいのでは
ということで、現在そのお返し作成の真っ最中なのだが…
「あ、だめだめ、そんな風にしたら!」
「な、何?…ってうぉ?!」
ガチャーン!
その拍子にクロノは生地を落としてしまった…実は、これで5回目なのだ
「はぁ…クロノくんってここまで不器用だったっけ?」
「し、仕方ないだろう、こういうの初めてなんだ」
「そんなんじゃ間に合わないよ」
「わ、わかっている」
そう言って、クロノは再度挑戦…

「うわっ?!」
失敗

「…」
二度目の失敗

「あ…しまった」
三度目の失敗

「ぐわぁぁぁ、間違えた?!」
四度目…

その後も、何度となくクロノは挑戦するが
そのたびに、何かしらの失敗を繰り返す
結局エイミィもさじを投げてしまい、買ってくれば、と言われてしまった


そしてホワイトデー当日

「フェイト」
「あ、お兄ちゃん」
「…フェイト、ここでは」
「あ、そうだったね…どうしたの、クロノ」
「う、うむ…その、な…これ」
「え?」
クロノは小さな箱をフェイトに渡す
「バレンタインのお返しだ」
「え?ほんとに…」
「ああ、いい加減何か渡すべきだと思ってな…」
「くす、気にしなくてもいいのに」
「そうもいかないだろう、まぁ、あれほどのものではないが」
「もう、そんなことないのに…開けてもいい?」
「ああ」
フェイトは静かに包装を解く
中はクッキーの詰め合わせ
この時期になるとよく見かけるタイプのものだ
「ありがと、買うの結構勇気必要だったでしょ?」
「本当は手作りを渡したかったんだがな」
「え?!クロノが…手作り」
「柄にもないと思ってるんだろ…実際、失敗しまくりだったが」
「ううん、そんなこと…でも、食べてみたかったかな、お兄ちゃんの手作り♪」
「な?!…い、いつかな…上手くできるようになれば」
「うん、約束だよ♪」
「…ああ」





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あとがき
 はい、というわけでクロノくん初のお料理教室でした(笑)
…いえ、すみません、即効で書いたため短くなってしまいました
いやぁ、リクのほうばっか考えてて自分のすっかり忘れてまして…面目ない
まぁ、その分リクのほうをお楽しみください

      
 
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