新たなる戦い、もう一つの時空管理局


第2話 あなたは誰?




次元震の発生より一夜明け
アースラにはなのは、フェイト、はやて、それに騎士達が集まっていた
ちなみに、ユーノは無限書庫で調べものだ
「さて、みんなに来てもらったのは他でもない、次元震についてだ」
「みんな次元震が起こったのは知ってるよね?」
エイミィの言葉にみんなはうなずく
「あれからいろいろと調べた結果、アースラと同等のものだということが分かったの」
「え?」
「じゃあ、時空管理局の?」
「いや、それはない。そういった報告は来ていないし、型式を調べたところ存在しなかった」
「せやったら、他の局の?」
「それもないねぇ、質量的にあれだけのものを所持できるのは本局くらいだよ」
「つまり、新たな敵の可能性もある」
「?!」
クロノの言葉にみんなは驚いた
「ど、どうして?」
「理由は分からない、後…気になることがあったからな」
「気になること?」
「実はね、最初トレースしたとき魔力反応があったの、四つ」
「んじゃ、魔導師いう事か?」
「まぁ、ね…」
少々歯切れの悪いエイミィに、シグナムが問いかけた
「何か気になることでもあるのか?」
「…実は、シグナムたちと同じなんだ、魔力波長」
「ま、まってください。それはありえません」
「どうして?」
なのはの問いにシャマルは困惑気味に答える
「普通の人なら、稀にあるでしょう。しかし、私たちはプログラム、それも闇の書のプログラムなんですよ?」
「あれと同等のプログラムを組むことなんて、今の技術では絶対に無理です」
「シャマルの言うとおりだ、実際局のプログラマーや、エイミィでさえ完璧に解析することは出来なかったんだからな」
「そうなんか…」
「はやて、せめてマスターとしての自覚を持て」
本気で知らなかったはやてに、クロノは呆れ気味にそう呟いた
「だけど、プログラムって簡単に出来るんじゃないの?レイジングハートたちとか」
「確かに、デバイスであればそう難しくはない。実際君たちのデバイスは二日くらいだったからな」
「だが、彼女たちはプログラムというよりは擬似生命体に近いんだ」
「擬似生命体?」
「ああ、極端な例をいえばフェイトと同じだ」
「え?」
「人でありながら、人とは違うプロセスで生まれた生命体、それが一番適切な表現だと思う」
「……」
クロノの言葉にフェイトはうつむく
「フェイトちゃん…」
「大丈夫、分かってるから」
「…まぁ、つまり人である、と言ってしまったほうが簡単だ」
フェイトの様子が気になったのか、クロノはそう言い直した
「せやけど、ならいったいあの子らはなんなん?」
「正直なところ分からない、というのが今の回答だ」
「とりあえず、いろいろ当たってはいるんだけどねぇ、本局のほうでも調べてもらってるんだけどさっぱり」
そう言ってエイミィはお手上げ、というポーズをとった
「というわけで、少々危険ではあるが精鋭で接触を試みることにした」

その後、いろいろと議論を重ねた結果
一番気の知れているなのは、フェイトの二人組みが選ばれた
【とりあえず、今回はできるだけ戦闘は避けること、いいか?】
「もし、向こうがかかってきたら?」
【極力避けろ、無理なようならあしらう程度ですぐ戻るんだ】
「でも、それじゃ偵察の意味ないんじゃないの?」
「うん、私もそう思った」
二人の言葉にクロノは呆れ気味に答える
【相手の正体も分からない、最低でも四人、それもシグナムたちと同等の魔導師、これだけ揃えばおのずと答えはでるとおもうが?】
「…そうだね」
「うん、かなり分が悪いね」
【だから、最悪相手の顔が分かればそれでいい】
「分かった」
【じゃあ、健闘を祈る。もちろんこちらでもモニターしているからいざとなったら助ける、心配するな】
そう言って、クロノは念話を切った
「じゃあ、いこっか」
「うん」


そのころ

「すみれ、どこに行くんだ?」
「その辺り見てくる、フレイルさんたちに聞いた限り危険はないみたいだし」
「なら、私も」
「二人とも、あまり遠くへ行くなよ。周辺のことはまだ、よく分かっていないんだから」
「は〜い」
クロウの言葉に二人はそう返事をして、出て行った
「…ふぅ」
「心配か?お兄ちゃんとしては」
「別に、ただ腑に落ちないだけだ」
「なにがや?」
「なぜ、このような場所に飛ばされたか、だ」
「ああ、そら確かに」
「何かしらの要因、いや、必然的なものが働いたと考えるべきだろうな」
「必然的なもの?」
クロノの言葉につばめは首をかしげる
「どんな事象であろうと、必ず要因が存在する。そしてそれは大抵必然的に起こるものだ」
「そうなん?」
「ああ、例えば何かをするために何かを捨てる、よく使われる言葉だがこれは捨てる、ということが必然となっている」
「…」
「まぁ、それぞれ説はあるが必然とは事が必ず自然と起こる、と言えるらしい」
「ふ〜ん」
「つまり、自然と今の状況になるようになっていた、そう考えるのが妥当だと思う」
「じゃあ、うちらだけってのも…」
「それについては魔力の関係だろう」
「魔力?」
「ああ、理由はどうあれ次元震によって僕らはここへ飛ばされた…次元震の発生条件は?」
「強力な魔力、つまりうちらの魔力量が関係しとるってことか」
「だろうな、できればこのまま何事もなく過ぎていってくれればいいが」
「……」


そのころのすみれとラピス
「ねぇ、クロウ君とはどう?」
「え?どうって?」
「最近やけに仲よさそうだけど♪」
「そ、そんなことないよ?普通だよ」
「そうかなぁ?」
「も、もう、すみれ!……?!」
「?!」
と、そんな話をしているとかすかながら魔力の流れを感じた
「…敵、かな?」
「…わかんない、けど…」
「けど?」
「近づいてきてる」


ちょうどそのころ、なのはたちも同じように魔力の流れを感じていた
「どうやら、向こうも気づいたみたいだね」
「うん、戦いは…避けられないかな?」
「わかんない…だけど、まずは話してみなくちゃ」
「そうだね」
二人は意を決し、歩みだす
しかし、しばらく進むとありえない光景を目の当たりにする
そしてそれは、出会った相手も同様だった

なにせ”同じ姿”だったのだから……



---------------------------------------------------------------------------------
あとがき
 というわけで、オリジナル連載ss第2話”あなたは誰?”です。
えらく中途半端だ、と思ったでしょうがこのまま続けると
だらだらと長くなってしまうんで区切りました!
とりあえず、次話は9月末くらいには仕上げたいなぁ、と…やっぱ中途半端はいけないと思うんで(笑)


     
 
inserted by FC2 system