ギンガさん黙示録


  



「…あかん、こら収拾つかんわ」
そう言って、はやては頭を抱える
現在時刻は深夜1時、本来なら皆寝静まっている時間
だが、今日はちょっとしたお祝いのためパーティをしていた
そしてその席でちょっとしたトラブルが起こったのだ…

「え?歓迎パーティですか」
「せや、これからギンガも六課の一員なんやから、それくらいせなな」
「い、いいですよ、別にいまさら紹介も何もないですし」
「つべこべ言わん…それに、ギンガが断ったら騒げないやない」
「…そっちが本音じゃないんですか?」
「あはは♪ぶっちゃけそうとも言うな」
そう言って笑うはやて
「…相変わらずですね、まぁお誘いを断るのも悪いんで」
「ほならOKってことでええな?」
「はい♪」

「えー、というわけでギンガの歓迎パーティを始めたいと思います」
そう言って、はやては一同を見回す
六課全員…とはいかないが、いつものメンバー
なのは、フェイト、フォワード陣の面々は出席
ただ、シグナムとヴィータは所用で欠席している
ちなみに、リインはメンテ中のためお休みだ
「これからみんな仲良くやってくためにも、今日は無礼講や♪普段の鬱憤晴らしたり、乾杯!」
「かんぱ〜い♪」
こうして、パーティは始まった
そしてこのとき、はやてが持参した”あるもの”が原因で
あのような惨事になるとは、誰も想像だにしていなかった…

「でも、不思議なもんだよね」
「ん?なにが」
「だって、私とフェイトちゃんが助けた娘たちが、今は同僚だもん」
「ああ、そういえばそうだね…あの時はまさかこうなるとは思ってなかったし」
「うん、無我夢中だったもんね」
「なのはは結構余裕に見えたけど?」
「ええ?それを言ったらフェイトちゃんのほうがしっかりしてたよ」
「そ、そうかな?」
「うん♪」

「…相変わらず仲いいわね、なのはさんとフェイトさん」
「そうだね〜…私たちもいつかああなりたいなぁ」
「冗談、あんたと仲良く、なんて虫唾が走るわ」
「うわ、ひっどい?!それがパートナーに言うセリフ?」
「そう思うんなら、もっときちっと任務こなしなさいよ」
「やってるよ!」
「へぇ…じゃあ、この前率先して突っ込んで玉砕したバカは誰だっけ?」
「うぐ?!」
「ああ、そういえば大丈夫、私に任せて!…って言って、見事に罠にはまったバカもいたわね」
「うぅ…ティアの意地悪」
「無礼講、だからね…こういうときくらい腹わって話さなきゃ♪」
「じゃあ私も…ティアって最近胸おっきくなったよね♪」
「ぶふぅっ?!」
「いやぁ、この前揉んだけどいい感じで♪…」
「あんたはオヤジか!っつーかまたしてたのか!!」
「ちょ、ティアが無礼講だって言ったんじゃない?!」
「それとこれとは別よ!こら、待ちなさい!」

「…相変わらずだね、スバルさんとティアナさん」
「うん…でも、ああいうコンビって憧れるな」
「そう?」
「うん、何でも言い合える、っていうの…エリオ君ともそうなりたいなぁ、って思うんだけど」
「う〜ん、それはちょっと無理かも」
「どうして?」
「ほら、女の子同士って事だから、あそこまでできると思うし…さすがに、僕たちはね」
「私は気にしませんけど…最初のときとか」
「い?!キャロ、もしかして根に持ってた?」
「さぁ、どうでしょう♪」

「…なんだかんだと、結局気の合う同士になりましたね」
「ま、それもええんちゃう…ギンガとしてはやっぱスバルと話したいか?」
「そうですね…でも、あの娘はなんだかんだいってできる娘ですから♪」
「おお、姉バカか」
「そんなんじゃないですよ…ただ、それゆえに心配でもあります」
「どんなとこが?」
「やる、って思っちゃうと突っ走る娘だから、加減を知らないんです…それがいつか悪いほうにいくんじゃないか?って」
「…まぁ、な…でも、それは大丈夫やと思うよ」
「どうしてですか?」
「あれを見れば解るんちゃう?」
そう言ってはやてはスバルとティアナのほうを指差す

「スバル、あんたはいっつも余計なことばっかり!」
「そ、そんなことないよ?…ってか、ちょっとま…きゃはは♪」
「うりうり♪」
「きゃはは♪ちょ、ティアやめ…やはははは♪」

「…確かに、要らぬ心配だったかも」
「ま、寂しく思うんもわかるけど家族ってそう簡単に離れたりせんからな」
「そうですね」
「…と、年長らしいことはここまで、無礼講やからな、やるで♪」
そう言ってはやてが取り出したのは…
「これって…」
「そ、お酒…ゲンヤさんがな、そろそろ呑むことも覚えろ、ってくれたんよ♪」
「お父さん…」
未成年に酒を勧める父に、ギンガは頭が痛くなった
「というわけで、ほい」
「え?いえ、私はまだ…」
「なにいっとるん、今日は無礼講って言うたやろ?大体一杯やそこらでどうこうならんて」
「し、しかし…」
「…呑むか、脱ぐか…どっちがええ?」
「えええ?!なんですかそれは!」
「私のランク知っとるよな?その気になれば…」
そう言って、はやては手をわきわきと…
「?!わ、わかりました呑みます、呑ませていただきます!」
はやては本気だ、と感じ取ったギンガはそう言った
「ええ娘や♪ほい」
「い、いただきます…こく」


「ねぇ、なのは」
「ん?」
「ヴィヴィオのことだけど」
「うん、ヴィヴィオが?」
と、なのはが聞き返したところでやけに陽気な声が聞こえた
「いえ〜♪二人とも呑んでる〜?」
「え?」
「ギンガ?」
「は〜い、ギンガで〜す♪にゃふふ♪」
「ちょ、どうしたの?」
「どうもしませんよ〜…それよりなのはさん」
「は、はい?」
「ユーノさんとはどんなことしてるんですか?」
「はいー?!」
突拍子もないセリフに、なのはは驚く
「いいじゃないですか、減るもんじゃなし…もしかしてあっちとかそっちとかまでやっちゃってるんですか?」
「いや、意味わかんないよ」
「ちょ、ギンガストップ」
さすがにこれ以上はまずいと思ったのか、フェイトが止めに入る
「…そういえば、フェイトさんはスタイルいいですよね」
「は?」
「出るとこ出て引っ込むとこは引っ込む…うらやましいです」
「いや、ギンガもスタイルはいいとおもうけど?」
「いえいえ…この胸には敵いません」
ふに…
「きゃっ?!」
「いいですよねぇ、これだけおっきいと需要もあるでしょうねぇ」
「ちょ…ん!…ギンガ、悪ふざけは」
「ふざけてませんよ〜…本気です」
(そこだけ真面目?!)
フェイトはそう、心の中でつっこんだ

「…ね?スバル」
「ん?なに」
「ギンガさんってさ、あんたより強いわよね?」
「まぁ、うん」
「じゃあさ…」
と、ティアナが続きを話そうとしたところに
「二人とも〜、私も混ぜて〜♪」
「ギン姉?!」
「ギンガさん?!」
「ずるいなぁ、スバルは私の妹なのに〜」
「えっと、ギン姉?」
「ギンガさん、なんか雰囲気が違うような…」
「私はいつもどおりよ♪…ティアナもおっきいわね」
「は?…ひゃん?!」
前触れもなくティアナの胸を触るギンガ
「ちょ、ギンガさん?!」
「いいわよねぇ、若いって…」
「若いって…ん!…ギンガさんほとんど歳変わらないじゃないですか」
「一年、二年って結構大きい差よ?」
「いや、それとこれは関係ないような…」
そう言ってティアナは胸元に視線を移す
「スバルはいいのに私はだめなの?」
「え?」
「連絡取り合ってるときに、ティアの胸は気持ちいい、って書いてあってね〜♪」
その言葉に、ティアナは鋭い視線をスバルに向ける
(ごめん!つい…)
(ついじゃないわよ!!あんた後で覚えときなさいよ!!!)
(ひ〜ん、不可抗力なのに〜?!)

「…ねぇ、エリオ君」
「ん?どうしたの、キャロ」
「えっとね、ちょっと聞きたい事があるんだけど」
「うん、僕が答えられるものなら、いいよ」
「うん…あのね」
と、キャロが話を切り出そうとしたところで
「初々しいね、二人とも♪」
「わっ?!」
「ギンガさん?!」
「ああ、私のことは気にせず続けて続けて♪」
「…なんか、雰囲気が…」
「うん、違う…というか別人というか」
「何いってるの、私は私よ♪」
「…完全に酔ってるね」
「うん、間違いなく」
「こそこそとするのは感心しないな…それ♪」
「ひゃう?!」
これまた前触れなく、キャロの胸を触るギンガ
「う〜ん、発育途中…これはこれでいいわね♪」
「ちょ、ちょっとギンガさんやめてください」
「エリオ君は興味津々だよねぇ♪」
「うぇっ?!」
「…エリオ君」
「ち、違う!そんな目でキャロを見てない!本当に!」
「…そうなんだ」
「…あれ?キャロ?なんでうなだれてるの」
「エリオ君は乙女心がわかってないねぇ…」
「ええ?!僕何か間違ったこと言いました?!」
「あはは〜♪さて、どうでしょう♪」

と、言う感じでさながら台風のようにメンバーの間を行き来するギンガ
そして、そうしてしまった張本人は…

「…うん、結構いけるもんやね♪」
のんびりと呑んでいた…

後日――

「…あの〜、みんなが心なしか避けているように感じるんですけど?」
「ああ、まぁ…な…大丈夫、そのうちもとに戻るて」
「記憶にないんですが…もしかしてこの前のパーティのときに何かしました?」
「何か…といえば、やったな…いろいろ」
「いろいろ?!何をしたんですか、教えてください!」
「…いやぁ、聞かんほうがギンガのためや思うけどな?」
「…そ、そんなにひどいこと?」
「ひどいわけやないよ…ただ、トラウマになりかねんからな」
「…かまいません、教えてください」
「…ギンガがそういうんやったら、ええけど…ほんまに後悔せんな?」
「……は、はい」
うなずくギンガに、それなら、とはやては一言
「…裸踊りや」
「…………………………………はい?」
「せやから、裸踊り。すっぽんぽんになって踊るアレ」
「…冗談、ですよね?」
「他のみんなに聞いてみ?顔そらすやろうから」
「………………………」
「安心しい、なかなかに立派やったで♪」
「そんなの慰めになってませんよー?!」

これが原因で、ギンガはしばらく自室に引きこもっていたという…


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あとがき
 はい、やっとこさ登場ギンガさん…なのに、すみませんこんなんで(汗
なんと言うか、こう…酒乱って書きやすいし♪
…いや、まぁただギンガさんをはっちゃけさせたい、と思ったからなんですよ
ま、真剣なのはおいおい、って事で(笑)

      
 
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