デートの行方は…


  


その日、グリフィスとシャーリーは市街地のほうへ出ていた

「すみません、なかなか時間が取れなくて」
「いえ、私のほうも似たようなものですし、気にしないでください」
「そう言ってもらえると助かります」
「さ、それじゃさっさといきましょう、時間がもったいないです♪」
「…そうですね」
こうして、二人のデートは始まった

と、そんな二人を見ている影が…
「いったみたいだね」
「うん、私たちも行こう」
「…あの、ちょっといいですか?」
「どうしたの?スバル」
「えっと、何でなのはさんとシグナム副隊長まで…」
「…実はね、はやてに二人のデートの一部始終を見てこい、って言われたの
 …部隊長権限使ってね」
「しかも、断ったり途中で抜け出したりしたらユーノさんとヴァイス陸曹と
 一月会うの禁止、って言われたです…これも部隊長権限使ってます」
リインの言葉に、当の二人はというと…
「絶対成功させる、じゃないとユーノ君と一緒にいれない…いや、それだけはいや!」
「見ててくれ、ヴァイス…私はお前との日々のため、全力を尽くす…でないと、でないと!」
と、なにやら尋常ではない様子
「…これは、いろんな意味でまずいわね」
「うん、無事に終わらせないと」

その後、グリフィスとシャーリーは近くの喫茶店へ
当然、尾行組も中へ

「そういえば、最近どうですか?」
「最近?」
「ええ、いろいろあって仕事量が増えたと思うんですけど」
「ああ、確かに…でも、グリフィスさんもそうですよね?」
「僕の場合は八神隊長の補佐ですからね、あまり苦はないですよ」
「へぇ、さすがですね」
「そ、そんなことはないですよ」
そう言って頬をかくグリフィス

「…なんか、順調そうだね」
「まぁ、あの二人だしね」
「グリフィスも案外やるものだな」
「らぶらぶですねぇ♪」
「ちょっと、悪い気もするね」
「…まぁ、だからって抜けたりしたらどうなるか」
「ティアナ、何かいった?」
「空耳なら良いのだが、ちとはっきりと、な?」
「いいいいいいえええええ?!なんでもありませんなんでも!!」
尋常ならざる殺気に、ティアナはぶんぶんと首を横に振った

その後、20分くらい雑談して二人は喫茶店を後にした

次に寄ったのはゲームセンター

「意外ですね、グリフィスさんってこういうところによく来るんですか?」
「よく、ではないけど休日とかは来るかな」
「へぇ…得意なのってあるんですか?」
「はは、恥かしながらクレーンゲームが」
「?なにが恥ずかしいんです」
「いや、男でこういうのはあまりやりませんし」
「私は気にしませんけど…そうだ、じゃああれとってくれますか?」
そう言ってシャーリーが指差したのはペンギンのぬいぐるみの入った
筐体…ちなみに、デフォルメされているのかいろんな表情のぬいぐるみがある
「いいですよ、どれか希望はありますか?」
「えっと…じゃあ、あのピンクのやつを」
「わかりました」

「なんか意外だね」
「うん、こういうとこにも来るんだね」
「…」
「シグナム、あのぬいぐるみが欲しいと思ってるですね?」
「?!ば、馬鹿をいうな、わ、私はただ…」
「いいんじゃないですか?ヴァイス陸曹にでもいえばとってくれますよ」
「そ、そうおもうか?」
「ええ」
「…そうか」
ティアナの言葉に自信がついたのか、小さくうなずくシグナム
「…あ、すごい一回でとった」
と、二人をずっと見ていたスバルはグリフィスの手際に感心していた

その後、二人はパズルゲームをしたり、クイズゲームをしたりと
それなりに楽しんでゲームセンターを後にした

次に向かったのは映画館

「なんか、久しぶりですね」
「あまり来ないんですか?」
「時間もないですし、最近はあまり観たいものもありませんでしたから」
「それじゃあ、今日はその分楽しみましょう」
「はい♪」

2時間後

「面白かったですね♪」
「ええ、がけに飛び込むところはひやひやしました」
「まぁ、普段ああいうのは見慣れてるんですけどね」
「はは、確かに」
そんな感じで楽しく談笑する二人
しかし、尾行組みはというと…

「…なんで?」
「確かに、まさかアクションものとは」
「普通はラブロマンスですよねぇ?」
「うむ、個人的にああいうのも好きだがな」
「ねぇねぇティア、続編もあるんだって♪」
「あんたはもう少し空気読め!」

その後、二人は昼食もかねデパートへ

「なんか、こう新鮮な感じがしますね」
「新鮮?」
「ええ、普段はお夕飯の買出しとかでしか使いませんし」
「シャーリーさん、それじゃ主婦ですよ」
「あはは、言わないでくださいよ♪」
「でも、それなら花嫁修業とかいりませんね」
「もぅ、グリフィスさんったら」

「…撃っていい?」
「ちょ、なのは?!」
「…斬る」
「シグナムも落ち着いてください?!」
「…キレかけてる?」
「鬱憤たまってんのよ、きっと」

そんな感じで過ごしていると、いつの間にか空が茜色になっていた
そして、二人は近くの公園へ

「…今日はありがとうございました」
「いえ、ぼくのほうこそ」
「よければまた誘ってくださいね」
「ええ、時間が合えばいつでも」

と、ちょっといい雰囲気の二人
そんな二人を影から見守る?なのはたちは…

「…じれったい、さっさとやることやるの」
「さっさと終われ、でなければ…」
「いい雰囲気ですぅ♪こういう時はちゅーですよ、ちゅー♪」
「…なんか、痛い」
「寒気もします、なんとなく」
「なんなのよ、この居心地の悪さ…」

なにやら変な空気の尾行組み
そんなことはまったく知らず、グリフィスとシャーリーは話を続けている

「あ、そうだ…これ」
「これは?」
「記念、というか…たいしたものじゃないんですけど」
「いえ、とんでもない…開けていいですか?」
「ええ」
丁寧に包装を解くシャーリー
中には桜の花をモチーフにしたイヤリングが入っていた
「わぁ♪かわいい」
「気に入ってもらえてなによりです」
「えっと、私もグリフィスさんに」
そう言って、シャーリーもグリフィスへ
「開けていいですか?」
「は、はい…言っときますけどたいしたことないですからね?」
そんなシャーリーに笑みを浮かべながら、グリフィスは包装を解く
中には羽をかたどったペンダント
「ありがとうございます、こんないいものを」
「い、いえ、気に入ってもらえてよかったです」
「…なんか、いいですね」
「え?」
「いえ、まるで照らし合わせたかのようにこうやってプレゼントするなんて」
「そうですね、プレゼントしたい、って思っただけなのに」
「…これ、大事にします」
「私も…」
「シャーリーさん…」
「グリフィスさん…」
そして、二人の距離は次第に近くなり…
「…」
「…ん」
静かに、口づけた


後日

「いやぁ、なんかええカップルやねぇグリフィス君♪」
「の、覗きは趣味悪いですよ?」
「失礼な、部下がいらんことせんか監視しとったんやないの」
「いらんことってなんですか…」
「…最後までゴー、とか?」
「いきません!」
「あはは、まぁそれは冗談やけど…しっかりな」
「え?」
「色恋沙汰にまで干渉する気ないから、ゆっくり愛を育んでいき♪」
「…はい、ありがとうございます」

こうして、二人の初デートは終わりをつげた


ちなみに…

「ユーノく〜ん♪」
「なのは?ちょ、なに今日は?」
「甘えたいだけ〜♪」
「そ、そう…」

「ヴァイス、今日は私が…」
「ちょ、姐さん?!なんか雰囲気違う」
「そういう気分なんだ、ありがたく受け取れ」
「いや、まぁ俺としちゃ嬉しいですけど…」

なのはとシグナムは無事、愛し合うことができましたとさ(笑)



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あとがき
  はい、なんかえらく時間かかりましたがいかがでしたでしょう
正直、メインが変わってるような気がして心配なんですが…
後やけに長いのは内容上、仕方なくです(笑)



      
 
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