HAPPY BIRTH DAY DEAR NANOHA  

 



その日、ユーノとヴィヴィオは悪戦苦闘していた 側にはフェイト、はやて、エイミィ、桃子の四人 なぜ、こんな状態になっているかといえば… 数日前 「え?なのはの誕生日パーティ」 「ああ、そういやそないな時期やったね」 「うん、それで二人に協力して欲しいんだ」 「協力も何も…」 「もとから、パーティは企画しとったで?」 「うんわかってる…そうじゃなくて、教えて欲しいんだ」 「教える?何を」 「ケーキの作り方…誕生日のお祝いは何がいいかな  って、考えてたらヴィヴィオがケーキ、って言うから  じゃあ、作って驚かせてやろう…と、思ったんだけど」 「あ〜…失敗したんやね」 「はは…何せ僕もヴィヴィオもケーキなんて作ったことないから  見よう見まねでやったら、ものの見事に…」 その惨事を思い出したのだろう ユーノはため息をついた 「…うん、わかった」 「せやね、それくらいやったらお安い御用や」 「ありがと、二人とも」 「ううん、なのはのためでもあるから…それより、仕事のほうは大丈夫なの?」 「うん、有給全然使ってなかったから、それで何とか」 「じゃ、問題なしやね」 と、言うことで翠屋のキッチンを借りようと 赴いたところ、話を聞いた桃子と ちょうど来ていたエイミィも手伝うと申し出てくれて 今に至る 「えっと、卵を…」 「ちょお待ち、ユーノ君。メレンゲ作るんやったら黄身はいらんよ」 「え?そうなの」 「当たり前や、卵焼きでも作るつもりか?」 「んしょ、んしょ…」 「ヴィヴィオ、型に流す前にバターを塗るんだよ」 「え?どうして」 「そうしないと、こびりついてうまく取り出せないの  クッキングシートを使うと多少ましだけどね」 「えっと、チョコは…」 「あ、ユーノ君。チョコを湯煎するときはお湯をボールに入れて  その中にチョコを入れたボールを入れて、やるんだよ」 「えっと…こう、かな?」 「ん〜と…」 「ああ、もう少し平坦に。ムラなく塗らないと綺麗にコーティングされないから」 「こ、こう?」 拙いながらも、二人はケーキ作りを進める 別に、これくらいで真剣になる必要はないとも思うが 二人の”なのはに喜んでもらいたい”という気持ちが これほど、真剣にさせるのだろう そして、そんな二人を見ていたフェイトたちは 少しうらやましいと思うと同時に、やっぱり、最高の家族だな、と微笑むのだった そして、なのはの誕生日パーティ当日 場所は喫茶翠屋 参加者は高町家、ハラオウン家、八神家 それからアリサやすずか、忍。そして機動六課の面々にカリム、ヴェロッサ 果ては、ナンバーズまでと、かなりの人数となった そのため、パーティはかつてないほどの大盛り上がり もちろん、途中ヴィータとノーヴェがおかずの取り合いを行ったり スバルとティアナの掛け合い漫才があったりと、余興もあったが… そんなパーティの様子に、なのははうれしくて少し涙する と、パーティも半ばに差し掛かった頃 「なのは、ハッピーバースディ」 「にゃはは、ありがとフェイトちゃん」 「…で、実はなのはにある人たちからプレゼントがあるんだ♪」 「?プレゼント…人たち?」 フェイトの言葉に、なのはははてな顔 しかし、そんななのはのことはお構いなしに スバルが、部屋の電気を消す 他のみんなはすでに知っていたのか、不思議に思うものはいない そして、奥からユーノとヴィヴィオが蝋燭を点けたケーキを持ってくる 見る限り、それはチョコレートケーキのようだ そして、中央にはホワイトチョコのプレート そこには、"HAPPY BIRTH DAY DEAR NANOHA"と、書かれていた 「わぁ、すごい…」 「ハッピーバースディ、なのは」 「はっぴ〜ば〜すでぃ、なのはママ♪」 「ありがと、ユーノ君、ヴィヴィオ♪」 「これ、僕とヴィヴィオで作ったんだ  …まぁ、フェイトたちに教えてもらいながら、だけど」 「え?ほんとに」 「うん♪ヴィヴィオとユーノパパで作ったんだよ♪」 「…えへへ、二人が作ってくれたって思うと、余計にうれしいよ♪」 そう言って、満面の笑顔でなのはは蝋燭の火を吹き消した その後、他のみんなからもプレゼントをもらったり 談笑したりと、楽しい時間が続いた そして、パーティも終わり 皆それぞれ、帰路についた後 ユーノ、なのは、ヴィヴィオの三人は近所の公園へ 「今日はありがと、ユーノ君、ヴィヴィオ」 「ん?なにが」 「パーティと…それから、手作りケーキ」 「はは、パーティははやてたちが全部やってくれたし  ケーキは…ね?」 「えへへ、初めてだったもんね」 感謝の言葉を述べるなのはに ユーノとヴィヴィオは顔を見合わせ 照れつつも、微笑む そして、ユーノはひとつ咳払いをし、懐から箱を取り出す 「改めて、ハッピーバースディ、なのは」 「ありがと♪…開けていい?」 「もちろん」 ユーノの言葉に、なのはは静かに箱を開ける 中に入っていたのはシルバーリング、ペンダント、ブローチの三つ どれも、ハートをモチーフに作られたお揃いのもの 「リングはなのはに、ブローチはヴィヴィオ…そして、ペンダントは僕が  まぁ、僕たち家族の証、みたいなものかな…別にこんなのなくても  僕たちが家族であることは変わらないけど…  こういう目に見える形の証があってもいいかな、って」 「ユーノ君…」 と、ユーノを見つめるなのはの頬を、一筋の涙が伝う 「ありがと…ほんとに」 「ううん、それはこっちのセリフ…」 そういって、ユーノはなのはを抱きしめる 「ありがと、なのは…それから、ヴィヴィオも」 ユーノは感謝の言葉を伝え 同時に、ヴィヴィオも抱き寄せる ちょうど、三人寄り添い合う形になる 「ユーノ君…」 「なのは…」 そして、ユーノとなのははそっと、口付けを交わす 「ユーノパパもなのはママも大胆♪」 「え?」 「あ…」 と、そんな二人を冷やかすヴィヴィオ しかし、その顔には満面の笑みが浮かんでいた その後、三人の絆がより一層深まったのは言うまでもない… ---------------------------------------------------------------------------------- あとがき  はい、つーわけでなのはバースディでした♪ いやぁ、できればパーティ風景も書きたかったんですが この人数だと、それはもう長くなるし、とんでもないことなるし… つーことで、はしょりました(笑) まぁ、なのはのバースディってことがわかりゃいいんだし これはこれでよし、と(笑)
 
inserted by FC2 system