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Happy Life


   




トン…トン…

「…ん…朝、か」
ある日の朝、ヴァイスは規則正しい音に目を覚ます

「おはよう」
「おはよう、ヴァイス」
リビングへ行くと、キッチンで朝食の準備をしているシグナムがいた
「やっぱり可愛いな」
「ふふ、お前が選んでくれたものだしな…」
そう言って、シグナムは自分が着けているエプロンを見る
それはヴァイスが似合うだろうとプレゼントしたエプロン
ピンクの生地に、フリルが付いているタイプで
所々に、薔薇の装飾が付いている
「喜んでくれて何より…今日は和食、ってやつか?」
「ああ、主に教えてもらった」
シグナムの近くへ行くと、味噌特有の香りが広がる
「中身は…豆腐とわかめか」
「うむ、シンプルだがな」
「シグナムが作ってくれるのなら、全部美味いしな」
「調子のいい」
「はは、本心なんだけどな」
「ふ…わかっている」

朝恒例でいちゃつく二人
その後、朝食をとり出勤時間に
ちなみに、朝食は味噌汁、焼き魚、ほうれん草のおひたし等
純和風だった

「んじゃ、行ってくる」
「うむ、今日は定時で帰るのか?」
「その予定だ…ま、最近は目立った事件もないし大丈夫だろ」
「わかった、帰りを持っているぞ」
「ああ…行ってくるぜ、シグナム」
「…行ってらっしゃい…ん」
「ん…それじゃ」
キスを交わし、ヴァイスは仕事に向かう

「おはよう、ヴァイス君」
「おはようございます〜」
「おはようございます」
いつものように、はやて、リインと挨拶を交わすヴァイス
「そんで、シグナムとはうまくやっとる?」
「はは、おかげ様で」
「そらよかったわ…で、いつ呼んでくれるんかな?」
「は?なにをですか?」
「きまっとるやない、お義母さん、って呼んでくれるんはいつかな、いうこと♪」
「はい?!」
「なら、リインのことはお義姉さん、ですね」
「いや、それは無理かも…」
「なんでです?!」
「いや、まぁお義母さんってのもちょっと…」
「そっか…まぁ、気長に待つわ」
「…呼ぶこと決定?」
「一応保護者やからな、続柄で言えば母親と同義やし」
「それは…確かに」
「せやからまぁ、いつでもお義母さん、って言ってくれてええで♪」
「…まぁ、そのうちに」
「うん、その話はまたいずれいうことで、今日もお仕事がんばろか♪」
「はい!」

―昼休憩

「さて、今日のお昼は、と」
「ん?ヴァイスじゃないか」
「お、ヴィータ、それにザフィーラもお疲れさん」
「おう、そっちもな」
「…うむ」
「そっちもこれから昼飯か?」
「おう、一緒いいか?」
「どうぞどうぞ」
ということで、ヴィータ、ザフィーラと一緒に昼食をとることに
「いただきます」
「…やっぱ、変わったな」
「…うむ」
「?なにが」
「いやさ、それシグナムが作ったんだろ?」
そう言って、ヴィータはヴァイスの持つ弁当箱を指す
当然、シグナムの手作り、いわゆる愛妻弁当
ご丁寧に、ご飯には桜でんぶでハートを描いてある
「ああ、美味いぜ」
「あいつも、料理はあまりできないほうだったんだがな」
「うん、シャマルと同じくらいな」
「…そこまでだったのか」
「だから意外…でもないか、あれは何かと器用ではあった」
「確かに、器用ではあったよな…ま、武器の扱いとかだけどな」
「ふ〜ん…」
「そいや、まだ呼ばねぇのか」
「?なにをだ」
「あたしのこと、お義姉さん、って」
「ぶっ?!…なぜ」
「一応シグナムとは姉妹、ってことになってるからな、そういうもんなんだろ?」
「ふむ…では、俺のことはお義兄さん、となるのか」
「ちょ、ザフィーラまで?!」
「ザフィーラも乗り気だな…さ、どうぞ」
「いや、ちょっと待ってくれ…やっぱそれはちょっと」
「なんでだよ?!」
「いやだって…」
そう言ってヴァイスは、ヴィータの事を見る
「…お義姉さん、はなぁ」
「てめぇ!やるかこの!!」
背格好のことを言われ、そう意気込むヴィータ
「ちょ、待ってごめんなさい、失言でした?!」
「気をつけろボケ…忠告だ、次言ったらアイゼンでぶっ飛ばす」
「肝に銘じます…」
「…俺はどうだ?」
「ザフィーラのことを…いや、それも正直ちょっと」
「…理由は」
「いや、だってなんか勘違いされそうじゃないか?…その筋の人に」
「…なるほど」
「?何だよ、その筋の人、って」
「いや、知らないならそれでいいんだ」
「んだよ…後ではやてに聞いてみよ」
と、いった感じの会話をしつつ、昼休みを過ごした

「った…ちと張り切りすぎたか」
訓練中、ちょっとした不注意で怪我をしてしまったヴァイスは医務室へ
「すいませ〜ん」
「は〜い…あら、ヴァイス君」
「ども、ちと怪我しちゃって」
「あらあら…じゃ、そこに座って、アギトお願い」
「了解」
どうやら、アギトも手伝いをしているようだ
シャマルの言葉に、消毒など必要なものを持ってくる
「頑張るのはいいけど、怪我は注意ね」
「わかっちゃいるんですけど…っ!」
「男は我慢だぜ」
「わかってる…」
「…はい、終わり」
「ありがとうございます」
「いえいえ…ところで、そろそろかしら?」
「?なにがっすか」
「決まってるじゃない…私のことお義姉ちゃん、って♪」
「ぶっ?!」
「お、なんかいいな♪んじゃあたしのこともそう呼んでくれよ」
「いやいや、ちょっと?!」
「別にいいじゃない、減るもんじゃないんだから♪」
「いや、でもそれはちょっと勇気がいるというか…」
「勇気って…はっ?!まさか」
「?」
なにやらショックを受けたようなシャマル
それを見て、ヴァイスは嫌な予感がした
「まさか…お義母さんって言いたいの?!」
「…」
嫌な予感というのは、大抵中るもんだと再認識した
「確かに、年齢で言えばそれくらい超えてますけど、これでもまだお姉さんって呼ばれたいのよ!」
「いえ、そこは別に大丈夫だと…」
「いいのよ、所詮はおばさんなのね〜!」
「…」
「ま、そのうち帰ってくるだろ…治療も終わったし、いっていいぞ」
「気にはなるが…それじゃ」
「ああ」
医務室を出る間際
≪これでも、脱いだら現役なんだからー!!≫
…と、いう魂の叫び声が聞こえた


その後、仕事も終わり帰宅したヴァイス
彼を迎えたのは…
「お帰りなさい…旦那様」
「…ただい、ま」
三つ指をついて頭を垂れているシグナムだった
「えっと、これは…」
「こういうことをすると喜ばれると聞いてな…どうだ?」
「いや、まぁ、そりゃ嬉しいよ、うん」
少しどもりつつ、そう返すヴァイス
それというのも、シグナムは座ったまま
つまり構図的に、上目遣いで見られてしまうわけで…
(か、可愛すぎる!)
「どうした?」
「いや、何でも…」
「?…あ、そうか、例のを言っていなかったな」
「?例の、って」
「んん…お帰りなさい、ご飯にする?お風呂にする?それとも
 わ・た・し?」
「…」
「…」
しばしの沈黙…
「ぶはっ?!」
「ヴァイス?!」

「…悪い」
「いや…私のほうこそ」
「いや、ほんとに嬉しかった…ただまぁ、ちと刺激が、な」
そう言うヴァイスは、鼻にティッシュを詰めていた
「そうなのか?よくわからんが」
「まぁ、健全な男はいろいろ思っちゃうのよ」
「?まぁ、大事無いならいいが」
「ああ…悪いな、がんばってくれたのに」
「ふ…好きな男のためだ、それは喜んでくれた証みないなものだしな♪」
そう言って、シグナムは微笑んだ

その後の夕食では
「ヴァイス、あ〜ん」
「あ〜ん」
「どうだ?」
「うん、うまい♪さすが、シグナムだ」
「ふふ、そうか」
「んじゃ、今度は俺が…あ〜ん」
「あ〜ん」
「…どうだ?」
「うむ、思ったより美味くできたな♪」
といった、お決まりの事もしつつ
食事を楽しんだ

「ふぅ…やっぱ一日の疲れは風呂で癒すに限るぜ」
「ヴァイス、湯加減はどうだ?」
「ん?ああ、ちょうどいいぜ」
「そうか…それじゃあ」
「ん?」
と、なにやら戸が開く音が…
「では、背中でも流そう」
「ぶっ?!シ、シグナム」
「どうした、ヴァイス」
「ど、どうしたもこうしたも、何だその格好は」
「変か?主に、男の背中を流すときは、これが正装だと聞いたが」
「いや、まぁ、変じゃないし、嬉しいは嬉しいんだけどな」
そう言いつつ、シグナムの姿を見るヴァイス
シグナムは水着を着ていた、それ自体は不思議なことではない
その水着が"スクール水着"だということを除いて
「さ、洗うぞヴァイス」
「いや、ちょ?!」
「遠慮するな…なに、心配は無用だ。主の体を洗っていた時期もあるんだ
 任せておけ♪」
「いや、だからそういうことではな…」
「では何だと…?!」
「…」
そう言うシグナムは、ヴァイスを見て言葉を失った
正確には、ある一部を見て、だ
「…」
「…」
「…ヴァイス」
「…すまん」
「…仕方ないやつだ…今は体を洗うだけだぞ」
「…それでも続けるんだな」


「ん…ふ…」
「ん…シグナム」
「…ふふ」
「?どうかしたか」
「いや…この時はやけに真剣な顔になるからな
 少し面白くて」
「ひどいな、それは」
「いや、悪いといっているわけではない…その顔を見ると
 私のことを想ってくれているとわかるからな…嬉しいんだ」
「シグナム…」
「だから、今日は私がしよう」
「いいのか?」
「ふ、女だって喜んでもらえるなら、大胆にもなれるんだぞ?」
そう言って、微笑むシグナム
「リクエストはあるか?疎いからな、こういうことは」
「それは……いや、特には」
「…ヴァイス」
「…なんだ?」
「そういった視線は、案外女性は気づいているものだぞ?」
そう言いながら、シグナムは自分の胸を隠す仕草をする
「…マジ?」
「うむ…隙なのか?結構な頻度で見られるが」
「いや、まぁ…うん」
言い訳をしようかと思ったが、無駄だと悟り、ヴァイスは素直に頷いた
「そうか…では、これでするか?」
「え?」
「いや、話に聞いたのだが、胸でするものもあるのだろう?」
「いや、まぁ、確かにそれは…」
「ならしてみよう…お前が嫌でなければ、な」
「嫌ってのはないが…いいのか?」
「何度も言わせるな…お前が喜んでくれるなら、私は何だってしよう」
「シグナム…」
「ということで、今日は寝かせんぞ」
「…それ、俺の台詞じゃないか?」
「ふ、忘れたのか…私はやられっぱなしが嫌いなんだ」
「あ〜…」
「覚悟しろよ、ヴァイス♪」


翌日―

「え?ヴァイス君休み?どないしたん」
「腰痛…になるんでしょうか、それで」
「?引越しかなんかしたんか」
「いえ、あの…」
「おはようございます♪」
「おはようさん…何や、シグナムやけに元気やね」
「はい、今日はどんな任務もこなして見せます!」
「…そか」
(なるほど、ヴァイス君頑張ったんやな…)

そんなシグナムを見て、はやては心の中で
そう呟いたのだった…


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あとがき

はい、ということでいかがでしたでしょう
まぁ、内容としてはあいも変わらずな感じですが(を
少し迷いましたが、ちとギリなとこもあるので、15禁にしました。
その割には、という突っ込みはなしでお願いしますね(笑)