初デートは戦いなの


  




今日はユーノ君との始めてのデート
正直デートって何をするのか分からないそういうことをしたことないから当然といえば当然なんだけど
「変なことして、ユーノ君に迷惑かけないようにしないと」
そう言ってなのはは姉に借りた雑誌を手に取った表紙には”失敗しないデートの仕方”と書いてある
「えっと、絶対に遅刻はしないこと、できれば30分前には待ち合わせ場所へ行くこと」
「その際やってはいけないこと・・・遅れてきても怒らないこと・・」
「そっか、でもそれくらいで怒ったりしないと思うけど・・あ、次は・・」
そういう感じでなのはは雑誌を読み続けた


翌日
「寝坊しちゃった〜?!もう約束の時間まで10分しかないよ〜(涙)」
ドタバタとなのはは速攻で準備を済ませ、家を飛び出した


「はぁ・・・はぁ・・・」
どうしよう、遅れないようにって書いてあったのにユーノ君、もう来てるよね、どうしよう・・・
「あ・・」
目の前に約束の場所が見えた、そこにはすでにユーノが立っていた
(やっぱり、もう来てるよ〜、どうしよう)
なのはは半分涙目になりながら走り続けた
「ユーノく〜ん」
「あ、なのは」
「はぁ・・ごめん・・はぁ・・遅れ・・ちゃって・・」
息を整えつつなのははユーノに謝った
「だ、大丈夫?なのは。まだ時間じゃないんだから走ってこなくてもいいのに」
「う・・うん・・・はぁ・・そうなんだけど・・」
うう、出だしからこんな調子じゃうまくいかないよ・・・
「とりあえず、どこかで休んだほうがいいね、そこに喫茶店があるから入ろう」
「う、うん・・ごめんね、ユーノ君」
「気にしなくていいよ、なのは」
そして二人は近くの喫茶店に入った

「お待たせしました、アイスコーヒーとカフェラテになります」
そう言ってウェイトレスがなのは達の席に注文の品を置いた
「ごゆっくりどうぞ」
そしてウェイトレスは他の客のオーダーを取りにいった
「ほんとにごめんね、ユーノ君」
「もう、いいよなのは。遅れてきたわけでもないんだし」
「それは・・・そうなんだけど・・」
うう、なんかすごくユーノ君に気を使われちゃってる私のほうが気を使ってあげなきゃいけないのに
「・・なのは、今日の服かわいいね」
「え?そ、そう・・」
うん、良く似合ってる」
「あ、ありがと・・」
(よかった、お姉ちゃんの言うとおりだった)

なのはの着ている服はライトブルーを基調としたワンピースで、所々にコスモスの花が描かれている
シンプルだがどこか気持ちをやわらげてくれる優しい色合いだ

「ユーノ君もかっこいいね」
「え?そ、そうかな、結構適当だったんだけど」
「そんなことないよ、すごく似合ってる」
「・・ありがと、なのは」

そして、ユーノは青のジーンズにライトグリーンのシャツ、ベージュのジャケットを羽織っている
決して目立つようなものではないが、なのはと同様シンプルで落ち着く感じだ


「さて、じゃあそろそろいこうか」
「そうだね」
そして二人は喫茶店を後にした

「・・なのは、これを見るの?」
「・・・・・」
(ど、どうしよう、確認してきたのと違う)
二人は今映画館に来ているそして看板には”からくり屋敷の怪”というホラー映画の絵が書かれていた
(なんで?雑誌にはラブロマンス系の映画がやってるって書いてあったのに)


答え
「あ、なのはに渡した雑誌、去年のだった」


「どうしようか?他にもやってるのはあるけど・・」
「うん・・・・?!」
「?!なのは、今の」
「うん、間違いない。でも残ってたなんて」
そう言って二人は走り出した二人の感じた気配、紛れもなく”ジュエルシード”のものだった


バリアジャケットを装備して気配のするところへ来ると信じられない光景があった
「・・・・やばい・・かな?」
「とんでもなく、というよりなんで?」
二人の目の前には恭也が立っていた、それもしっかりと小太刀を握っている
「・・・・」
「戦う気、満々だね」
「・・正直、死ぬかも」
その言葉とともに恭也は地を蹴った
「なのは!」
「レイジングハート!」
『Flier fin』
その声とともになのはの靴から二対の羽が生えた
「翔んで!」
「しっ!」
間一髪、先ほどまでなのはのいたところを恭也の小太刀が一閃した
しかし、それもつかの間
「はっ!」
「え?わわっ・・」
なのはのすぐ横を投針が掠めていく
「仕方ない、いくよ、レイジングハート」
『All right』
『Accel Shooter』
そして、なのはの周りにいくつもの光球が出現した
「シュート!」
なのはの声に光球が恭也目掛け飛んでいく
「・・・はっ!」
しかし、恭也はその光球をすべて叩き落した
「えぇぇぇぇ?!」
「・・やっぱり、だめだよね」
「だめって?!なんで?!」
「お兄ちゃん、素手でロボットと戦ったことあるから」
「・・・嘘?」
そんな二人の会話はすぐに中断する。恭也の放った鋼糸によって
「?!しまった」
「はっ!」
「・・・!」
なのははとっさに目を瞑った。
しかし、予想していた衝撃はやってこなかった不思議に思い目を開けると
「く・・」
「なのは、大丈夫?」
「ユーノ君?!」
見るとユーノがバインドで恭也の身体を縛り付けていた
「今のうちに封印を!」
「うん!」
そしてなのははレイジングハートを恭也に向ける
「ジュエルシード、シリアル30。封印」
『sealing.receipt number XXX.』


ジュエルシードを封印し、恭也を家に帰したあとなのはとユーノは今日のことを振り返っていた
「それにしても、まだ残ってたんだね、ジュエルシード」
「それ自体は不思議じゃないよ」
「え?」
「もともと、ジュエルシードは僕が遺跡発掘の際偶然見つけたものだ」
「なら、他の遺跡に同じものがあったとしても不思議じゃない」
「そう・・なんだ」
「だけど、何でこんなときに発動したんだろう?」
そう言ってユーノは首をかしげた
「・・推測だけど、お兄ちゃんがなにか願ったんじゃないかな?」
「恭也さんが?でも、ジュエルシードに取り込まれるほど弱い人とは思えないけど」
「うん、私もそう思う・・・けど、お兄ちゃんも人間だもん、弱い部分の一つくらいあるよ」
「・・・そうだね、いくら強くても人である以上心に闇はあるからね」
そう言ってユーノはなのはの手をとった
「だけど、僕たちには仲間がいる。信じる仲間がいれば闇に堕ちたりはしない」
「ユーノ君・・・・」
「もし、堕ちたとしても、さっきの恭也さんみたいに僕たちが助け出せばいい」
「・・・そうだよね、私たちにはみんながいるもんね」
そう言ってなのはは微笑んだ
「それに、ユーノ君も」
「(赤)そ、そんなの当たり前だよ。僕はいつだってなのはの側にいるから」
「あ、ユーノ君顔赤い。照れてるの?」
「そ、そんなことないよ、別に、僕は・・・・」
慌てて言い訳しようとしているユーノになのははそっと顔を近づけた
「ユーノ君・・」
「え?・・」
そして、静かに二人は口付けを交わした
「・・・なのは」
「えへへ・・大好きだよ、ユーノ君♪」
そう言って、なのははとびっきりの笑顔でユーノに抱きついた


ちなみに、その後恭也にそのときの事を聞くと

「いい盆栽が見つかってな、欲しいと思っていたところだ」

と、言ったそうな・・・




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あとがき
 とりあえずいくつかツッコミどころはあると思いますが・・・
ほとんどは後半のやつが書きたかっただけです(笑)
まぁ、前半はなるべ”バカップル”っぽい感じで書いたんで、つりあいは取れているかと・・・





 
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