ひとひらの願い
「はやて！はやて！」
「なんや、ヴィータ大きな声出して」
ヴィータの呼ぶ声に応えながら居間へ
「雪だ、雪が降ってる」
「雪？…ほんまやね」
窓の外を見ると白い粒がひらひらと舞っていた
「なぁ、雪だるま作ろう、はやて」
「そやね…でも、雪だるま作るんやったらもう少し積もらんとな」
「どれくらい？」
「そうやなぁ…靴が埋まるくらい、かな？」
「う〜ん、じゃあまだなんだ」
「まぁ、天気予報やと今夜あたりが一番降るらしいから、明日は積もっとるんやないかな」
「じゃあ、明日は作れる？雪だるま」
「作れると思うで」
ヴィータの言葉に、はやてはそう言って微笑んだ
その後、はやては一人で庭先へ
空からは雪がひらひらと舞っている
しかし、はやてはなんだか悲しい顔をしている
「…正直、あんま好きやないな」
ポツリ、とはやてはつぶやいた
「どうしてです？」
「ん、リインか」
隣を見ると、いつの間にかリインフォース�供閉名離螢ぅ鵝砲�浮いていた
「どうして雪が好きじゃないです？マイスターはやて」
再度、疑問を口にするリイン
「…そやね、あの娘のことを思い出すからかな」
「あの娘？」
「せや、リインのお姉さん、になるんかな」
「じゃあ、リインの元になったというリインフォースさんです？」
「そうや、あの娘がいたから今のうちらがある…そう言っても過言ではないくらいにな」
「…」
「…気になるか？リインフォースのこと」
興味深そうな顔をしていたのか、はやてはリインにそう言った
「なるです…リインがいるのがリインフォースさんのおかげと言うなら
どんな人なのか、気になるです」
「そっか…」
リインの言葉にはやてはうなずき、静かに話しだした
「綺麗で、強い娘やった…最初から、最後までな」
「…」
「うちが最初に会ったんは夢の中やった」
「夢の中？」
「そや、まぁ実際は寝てるときに繋がっとった本の中に意識が飛んだ言うことなんやけどね」
リインの問いに、はやてはそう補足した
「そこで、少しだけやったけどいろいろ話して…でも、実際みんなと一緒にいれるようになるんは
蒐集を行わなならんかった…それは、うちがしないようにって言っとったから実際は無理な話しやった」
「…」
「でも、その蒐集はひそかに行われとった…まぁ、うちのことを考えてくれたからやけど…
そして、結果的にあの娘は出てくることができた…みんなと引き換えに」
「引き換え、です？」
「せや…みんなのリンカーコアを蒐集してな」
そのときの悲しみを思い出したのか、はやては眉をひそめる
「マイスター…」
「…ごめんな、そいで最終的にはなのはちゃんたちのおかげでうちも、シグナムたちもみんな助かった」
そこまで言ってはやては一呼吸置く
「それからはみんな一緒に暮らせる思うとった…せやけど、それは叶わんかった」
「どうして、です？」
「うちが倒れてしもたんよ…実際はいきなり魔法を使ったことによる副作用みたいなもんなんやけどね」
「…」
「ほんで、こっからはシグナムたちに聞いた話なんやけど…」
そう言って、はやては一呼吸置き続ける
「長い間闇の書として居続けたせいで、闇の部分、それが定着してしもたらしいんよ」
「闇の部分、です？」
「せや、ほんで今のとこはええけど、将来それが表に出てくれば、あの時の二の舞…ううん、それ以上になりかねん
せやから、あの娘は自ら消える決意をしたんよ…うちらや、みんなに迷惑かけへんように」
「…」
「何とかしたる、って言うとんのに聞きもせんかった…ほんま、頑固な娘や」
「マイスター…でも、それでよかったです」
「え？」
「どうなるかわからない、でも確実にそうなる可能性がある…それで、大好きな人たちを傷つける
…そうなるんなら、大好きな人たちが楽しく暮らせるように、消える…リインがリインフォースさんだったとしても、同じことしたです」
「リイン…」
「でも、それは悲しいことじゃないです…これは教えてもらったことですけど
人が本当に死ぬのは、誰からも忘れられたとき…自分が"居た"という事実がなくなったとき、本当の死を迎えるって」
「…」
「だから、今もこうして想われてるリインフォースさんは死んでなんかいないです、それに、リインフォースさんの意思は
リインが継いでいくです！」
そう言って、リインはガッツポーズをする
「…せやね、そうなんかもしれんな」
「はいです、それにリインフォースさんもマイスターがそんな風にしてたら安心して眠れないです」
「あはは、それはそうやな、うちがこんなんじゃあの娘に申し訳たたんな」
「はいです♪」
はやての言葉に、リインは満面の笑みを浮かべる
「ほなら、今日はいっぱいおいしいもん作って、楽しいパーティや♪」
「わ〜い、ですぅ♪」
リインフォース、うちはあんたのこと絶対に忘れない
たとえこの先何があってもうちは挫けん、だって今のうちがいるのはあんたのおかげやから
…せやから、不安なこともあると思うけどこれからも見守っててな
な、リインフォース…うちの、最愛の家族として……
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あとがき
はい、というわけで家族ネタです
本来はもうちょいほのぼのとした感じにしたかったんですが…
まぁ、とりあえず今回はこんなとこで…
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