ユーノ君を独り占め?


  




「あ、ユーノ君」
「ん?なのは」
通路の向こうからユーノの元へ走ってくるのは高町なのは
ふとしたことがきっかけでユーノと共にロストロギアを集めることになった魔法少女だ
そして、今二人は付き合っている
「どうしたの?走ってきたりして」
「うん・・はぁ・・少しでも一緒に・・・いたかったから」
そう言ってなのはは微笑んだ
「・・そうか」
「えへへ・・それより今いい?ちょっと話したいことがあるんだけど」
「ああ、うん。ちょうどおわ・・・」
「ユーノ、早急にこれを頼む」
と、そんな二人の間に黒服の青年が現れた
「クロノ?」
「クロノ君?!」
「お楽しみのところ悪いが、今日中に提出しなきゃならないんだ」
「今日中か・・・って、これを今日中?!」
そう言ってユーノは渡された資料に驚いた
「ちょっと待って、これ明らかに一日でできる量じゃないって?!」
「君なら何とでもなるだろう?人も使っていいんだし」
「そうだけど、ほとんど徹夜になる!」
「みんなもそれは承知の上だ。分かったらさっさと行く!」
「たく・・・いつもいつも無茶やらせんだから」
と、愚痴を言いつつユーノは無限書庫ヘ向かう
「あ・・ユーノ君」
「・・・・・」

その後なのははクロノと歩いていた
「仲は良いようだな」
「え?あ・・うん」
「そうか・・・・」
そう言ってクロノは立ち止まる
「?クロノ君」
「なのは、これから模擬戦をする」
「え?!」
「ぐずぐずするな、いくぞ!」
「え?え?えぇぇぇ?!」
問答無用でクロノはなのはをトレーニングルームへと引っ張っていった


「ホントにやるの?」
そう言ってなのははレイジングハートを構える
「当然だ。いざというときこういったことが役立つんだ」
そう言ってクロノもデュランダルを構える
「手加減・・してくれるよね?」
「・・・僕がそんな優しい人間に見えるか?」
そう言ってクロノは笑みを浮かべた
「にゃはは・・・・しないね」
なのはのその言葉と同時に二人は地を蹴った
「レイジングハート!」
『Flier fin.』
その言葉と共になのはの靴の両方に羽が生えた
「跳んで!」
「させるか!デュランダル」
『all right』
そして、対照的にクロノは氷の玉を作り出す
「行け!アイスブレイズ」
その言葉とともに氷の玉は弾け、中から無数の氷のつぶてがなのはに向け放たれた
「ええぇぇぇ?!そんなんあり〜?」
『protection』
レイジングハートの言葉と同時に、なのはの周りに光の盾が出現した
「まだ終わりじゃないぞ、なのは」
何とか防御魔法などで氷のつぶては防いだが、すでにクロノは次の呪文詠唱を終了していた
「アイスグラビティ!」
その言葉とともになのはの頭上に大きな氷の玉が現れた
「・・・いくらなんでも、やりすぎじゃない?」
「君がこの程度で戦意を喪失してくれるなら良いが・・・な!」
その言葉とともに今度はクロノの左右に同じような氷の玉が現れた
「これは氷の塊を相手にぶつけ瞬時に凍らせるものだ・・・簡単に破ることはできないぞ」
「・・・なら、手は一つしかないよね」
「・・・・?!」
そこでクロノは気づいた、先ほどまでなのはのいたところに魔力反応があることを
「新魔法トワイライトマジック」
「なに?」
「悪いけど、まず邪魔な氷を砕かせてもらうよ!」
そう言ってなのはは手をかざした
「ブレイク」

ドカァァァン!!

そして轟音があたりに響き渡った


「く・・いったい?」
煙が晴れ、クロノが目を凝らすと
「油断大敵、だよ♪」
「?!」
声に驚きとっさにクロノは身を翻す
その隣を強力な光の帯が行き過ぎる
「・・・・・・」
「ありゃ?避けられちゃった」
「・・なのは、少し待て」
「ん?」
クロノの言葉になのはは着地する
「どうしたの?」
「・・君は僕を殺す気か?!」

ぽかん!

「あいたっ」
「いくら僕でもあんなの生身で食らって無事でいられるか!」
「だって、手加減してくれないんでしょ?」
「それとこれとは話が別だ!・・・どうやら、お仕置きがいるようだ」
「?!」(ゾクッ!)
クロノの言葉になのは背筋に冷たい何かが走った感じがした


「にゃぁぁぁ?!許して〜」(泣)
「お仕置きだといったろう?!安心しろ死ぬようなことはない」
そう言ってクロノはなのはを見上げた
現在なのははトレーニングルームに吊るされている
しかも逆さまに・・・・
「見えちゃう?!下着見えちゃうよ〜」(泣)
「大丈夫だ、僕以外に誰もいないし見るつもりもない」
「ひどっ?!」
「・・・見られたいのか見られたくないのかどっちだ?」
「うにゅうぅぅぅ」(赤)
見られたくない、けど興味がないと言われると傷つく
女心は微妙なのです・・・・・



「さて・・そろそろ・・・・」
「なにをしてるんだ?!」
と、そこで入り口のほうから聞きなれた声がした
「ユーノ君?」
「ユーノ、仕事はどうした?」
「そんなことどうでも良い!なのはをすぐに降ろせ」
「だめだ。これはお仕置きなんだからな」
その言葉にユーノはクロノに掴みかかった
「どういうことだ?!」
「・・・・・」
「クロノ!!」
「ユーノ・・君」
と、そんなユーノの剣幕に押されたのか、ポツリとクロノは口を開いた
「・・・・のせいだ」
「え?」
「ユーノのせいだといってるんだ!」
「?!クロノ・・・」
「君がいけないんだ、なのはと仲良くするから!」
「クロノ君?」
「君が・・・君には僕しかいないはずなのに!!」
「クロノ・・・・」
「クロノ・・・君?・・・・・・・いま、なんて?」
「クロノ、僕は・・・・」
「君は僕を裏切った!あの日、誓ったはずなのに」
「クロノ、聞いてくれ」
「聞きたくない!君の言葉なんて・・・」
「・・・・なんか、私ものすご〜く嫌な結論に達したのですが」
と、なのはが言うのと同時にその結論は現実となった

「僕は、君以外の子と一緒になる気はない!」
「?!ユーノ・・・」
「クロノこそ、何でもっと僕を強く引きとめてくれなかったんだ?」
「だって・・・その方が良いと思って・・・」
「でも、苦しかっただろ?」
「・・・・・ああ」
「じゃあ、もう良いだろ?僕、ずっと待ってたんだぞ」
「すまない・・もう一度、して・・・良いか?」
「うん。もちろんだよ」
ユーノはそう言ってクロノから一歩離れ目を閉じた
「ユーノ・・・」
「・・・・・・」
そして、二人の距離は次第に・・・・・

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ?!」

なのはは悲鳴を上げながら身を起こした
「はぁ・・・はぁ・・・・はぁ・・・・」
目覚めたなのはは辺りを見回した
よく知っているアースラの仮眠室だ。任務で疲れた体を癒しているうちに眠ってしまったらしい
「夢・・・・・なの?」
まだよく分からずなのははものすごい不安を抱きながら仮眠室を後にした


仮眠室から出てしばらく歩くとユーノの姿が見えた
「あれ?なのは。もう大丈夫なの」
「ユーノ・・君」
「?どうしたの、なんか疲れが取れたって顔じゃないけど」
そう言ってユーノはなのはに近づく、しかしそれより先になのはユーノの胸に飛び込んでいた
「な、なのは?どうしたの、いきなり?!」
「・・・ユーノ君、私だけ・・・見て?お願いだから・・・」
「・・なにがあったか知らないけど、僕はなのはとずっと一緒だよ?」
「・・・ほんと?」
「ああ、たとえ君が離れろといってもね」
そう言ってユーノは微笑んだ
「・・・ありがとう、ユーノ君」
「どういたしまして」
と、そこで聞きなれた声が聞こえた
「お、ちょうど良いところに。ユーノ、この前の資料で・・・・?!」
「・・・・・・・」
「ん?どうしたんだ、クロノ。まるで蛇に睨まれた蛙のように固まって」
「い、いや・・・どうしたんだ?なのは」
「・・・・どうもしないよ」
そういうなのはの顔は明らかに敵意むき出しだ
視線で人が殺せれば、間違いなくクロノは死んでいるだろう
「・・僕、なのはの気に触ること、したかな?」
そう言うクロノの額にはきれいな”冷や汗”が流れていた


その後、しばらくの間クロノはなのはに睨まれ続けた
夢の中での理不尽な怒りとは誰も気づかず・・・・・・




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あとがき
 はい、というわけで夢オチにしましたがBL要素があることに変わりないですね・・・・
とりあえずユーノメインなんですが、どこかなのはメインのような気も(笑)
ただ、これだけは言っときます。私に"そっちの気"はありません。



 
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