初デートは保護者同伴?


   




その日、エリオは駅前に立っていた
というのも、今日はキャロとお出かけ…もとい、デートの日
「変、じゃないよな?…フェイトさんもいいって言ってくれたし」
と、言う感じで何度も自分の服装をチェックしてはそわそわしている
…で、そんなエリオを見ている…いや、見守る"人たち"が

「う〜ん、なんかかわいいね」
「大丈夫かな?エリオ、ちゃんとエスコートできるかな?」
「フェイトは心配しすぎ、エリオだって男なんだから」
「そうそう、当たって砕けろですよ」
「砕けちゃだめでしょ…まったく、スバルは」
「ふむ、だが時にはそれくらいの度胸は必要だろう」
「ま、あいつだってやるときゃやるだろ」
「そうね…はやてちゃんはどう思う?」
「まぁ、大丈夫ちゃうか?案外キャロのがしっかりエスコートしたりな」
と、そんなことはさておいて


「エリオ君」
「あ、キャ、キャロ」
「ごめんなさい、遅れてしまったみたいで」
「い、いや全然、むしろぴったし」
「そう、よかった」
微笑むキャロ、ストライクなエリオ

「おっと、早速キャロの攻撃」
「はやてちゃん、攻撃って…」
「あながち間違いやないやろ?」
「まぁ、そうだけどね」
「さて、ほなら解説のシャマルさん、どう見ます?」
「そうですね、まぁ軽く落ちてるでしょうね、エリオ君」
「なんか、シャマルさんまで乗ってるし…」

「と、とりあえずいこうか?」
「うん」

「おっと、電車に乗るみたいやね」
「この場合、エリオ君が二人分払うでしょうね」
「男の子、だからか?」
「それもありますし、あの子の性格から割り勘はないでしょう」

「あ、電車賃は僕が払うから」
「え?悪いよ」
「いいって、誘ったのは僕だし…ね」
「…じゃあ、お言葉に甘えるね、ありがと」
そう言って微笑むキャロ、一瞬時が止まるエリオ

「おお?第二撃」
「危ないですよ、あと一撃で落ちるでしょう」
「…主もシャマルも、やけに生き生きと」
「こうなったらもう放っとくしかねぇよ」


その後、二人は電車に乗って目的地へ
無論、はやてたちも同様に

「うわ?すごい人」
「うん、そうだね」
キャロの言うとおり、日曜のためか遊園地はかなりの人で賑わっていた
「は、はぐれないように手、つなぐ?」
「うん、そうしたほうがいいね」
そう言って、キャロは難なくエリオの手を握る
無論、ほんとにつなげるとは思ってなかったエリオは固まる

「おお、手ぇつないだで?いくか、そのままぶちゅっていくか?」
「…いや、はやてちゃんそれは行き過ぎ」
「なんや、ノリ悪いな、こういう流れやったらいくやろ普通?」
「かもしれないけど、ね?」
そう言って、シャマルは手近にいたティアナに振る
「うえ?!あたしですか?!…まぁ、ほら往来ですし、ね?」
「そのほうが燃えるやん」
はやての言葉に一同唖然

と、そんな会話が交わされてるなどつゆほども知らない二人は
仲良く場内へ

「うわぁ…すごいね、エリオ君♪」
「う、うん…」
「どうしたの?気分でも悪い」
「え?…い、いいいいや?!全然、これっぽっちも」
「ならいいけど…最初は何に乗る?」
「キャロはなに乗りたい?」
「え?…メリーゴーランド」
「…う、うん、いいよ、いこう」
内心とても恥ずかしいエリオだが、キャロが乗りたいと言っているのだから、と
自らを納得させつつ、乗り場へ

「なんやかわええな♪…ペットにしたいわ」
「ちょ?!はやてちゃん?!」
「もう、冗談やない、そないに真に受けんと♪」
(はやてちゃんなら本気でやりそうだから、なんだけど)
「ん?シャマルちゃん、なにか言うた?」
「い、いいえ?!とんでもない、だからお仕置きはご勘弁を?!」
(お仕置き?!)
シャマルの言葉に、全員が同じ反応

「…」
「エリオ君、やっぱりいやだった?」
「え?」
「なんか、落ち着きなさそうだから…」
「そ、そんなこと…ただ、一度も乗ったことなかったからこういう感じなんだって
 思っただけ」
「そう?男の子にしたらあまり面白くないんじゃないかな?」
「ううん、そんなことない、楽しいよ」
「よかった♪」

「う〜ん、さすがやね泣き落としも使えるとは」
「いや、今のは違うと思うけど…」
「でもまだ甘いな、あそこで服はだけて迫れば一発やのに」
「はやてちゃん、子供に何させる気?」
「ナニさせる気」
「…」
はやての言葉に一同は危機的な何かを感じた

その後、いくつかの乗り物をはしごした二人は
休憩を取るため、屋台のある区画へと移動した

「疲れたよね?何か買ってくるよ、何がいい」
「え?エリオ君も疲れてるでしょ、私がいくよ」
「こういうときは男がいくもの、じゃないかな?」
「それじゃあ…ソフトクリーム」
「わかった、ちょっと待ってて」
そう言って、エリオはかけていく

「うん、ちゃんとできとるな」
「男の子ですね♪」
「あはは、ほんとだね」
「うん…ん?」
と、ふとフェイトは気づく
キャロのそばに男が立っているのに

「へへ♪かわいいね」
「だ、誰ですか?」
「別に怪しいものじゃないよ、ひとりできたの?」
「と、友達とです」
「へぇ…ね、俺と一緒に遊ばない?」
そう言って、男はキャロの腕をつかむ
「あ、あの?」
「心配しないで、楽しいことだから♪」
「キャロ、おまたせ…?!」
と、ちょうど帰ってきたエリオがその状況から
即座に行動する
「キャロを離せ!」
「ぐ?!…なんだ、このガキ!」
「キャロから離れろ!」
「うっせぇんだよガキが!」
そう言って、男はエリオを投げ飛ばす
「ぐはっ?!」
「エリオ君?!」
「はん、ガキがいきがんな」
と、男が言ったとたん
ドキュン!
「ぐわっ?!」
光の弾が男の腹に命中
「な、なん…?!」
と、続いて男の体に光の鎖が巻きつき
とてつもない力で引っ張られ草むらへ…

「な…むぐ?!」
なんだ、と男は言いたかったが
口が開かない、そして目の前にいるのはすごい形相の少女たち
「このろ○こん!いっぺん死んでこい!」
ドスッ!とスバルの正拳が突き刺さる
「貴様のようなくずを生かしておいては世が乱れる…ここで逝け、紫電一閃!」
ドゴン!と、シグナムの技が炸裂
「あなた一人逝ったところで、誰にも迷惑はかかりませんからね…潰れなさい」
ぐっ!と、シャマルが鏡で男のコアを潰す
「てめぇなんか地の果てまで飛んで、地獄に堕ちな!シュワルベフリーゲン!!」
ドグッ!と、鉄の塊が男にめり込む
「君のような下郎には話し合いなんか不要だね」
「ふふ、塵も残さないで消してあげるよ」
「覚えとき、うちを怒らすと…ドタマ勝ち割って!鳥の餌にするで!!」
そして、なのは、フェイト、はやてのトリプルブレイカー…
無論、ユーノの結界魔法で周囲への被害はなし…よって、全力全開
死して屍拾うものなし…いや、一応生きてます…虫の息ですが


「あ、あいたた…キャロ、大丈夫?」
「私よりエリオ君のほうが心配だよ?!」
そう言うキャロは今にも泣き出しそうだ
「大丈夫だよ、鍛えてるし」
「だからって、怪我だってするし、痛い思いもするでしょ?!何でそんなになってまで…」
「…当たり前だよ、キャロが危なかったんだから」
「え?」
「キャロは僕の大切な友達だし、護りたいし…何より、好きだから…キャロが好きだから護るんだ!」
顔を真っ赤にしながらも、エリオはそう言葉をつむぐ
「…ぐす」
「え?ちょ、キャロ?!」
突然、キャロは泣き出す
「どどどどうしたの?!も、もしかしてどっか痛いの?あ、それとも何か気に障ること言っちゃったとか?!」
「…ぐす…ううん、違うの…うれしくて、だって、エリオ君が護ってくれるって…その言葉がとてもうれしいの」
「キャロ…」
「えへ♪かっこよかったよ、エリオ君」
そう言って、キャロは満面の笑みを浮かべた



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あとがき
 はい、というわけでいかがでしたでしょう
あ、はやてははっちゃけさせてください、とありましたのででき得る限りやっちまいました♪
で、最後に罵詈雑言をってのがあったんですが…やりすぎた?!
苦情きたりせんだろうか心配だ…


      
 
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