二人の時間


   




「久しぶりだね、こんなにのんびりしたの」
「…そうだね」
なのはの言葉に、そう答えるユーノ

春のうららかな日差しのもと、二人は
公園の芝生に身体を預けている
普段なかなか時間の取れない二人だが
今日は運よく二人とも休みを取ることができたのだ

「でも、フェイトには悪いことしたかな?」
「ん?どうして」
「いや、ヴィヴィオのこと」
「ああ…」
そう、本来ならヴィヴィオを連れて遊園地にでも、と思っていたのだが
そんな二人にフェイトが
「二人とも、ヴィヴィオの相手は私がするから、デートしてくるといいよ」
と、いってくれたのでこうしてのんびりできているのだ

「でも、フェイトちゃんもヴィヴィオと遊ぶの楽しい、って言ってたから」
「そう?ならいいのかな、ヴィヴィオもフェイトのこと好きみたいだし」
「うん、もう一人のママだからね♪」

「は…くちゅん!」
「風邪?フェイトママ」
「ううん、大丈夫。誰か噂でもしてるんじゃないかな…さ、次は何しようか?」
「お医者さんごっこ♪」
「……え?」
「楽しい、ってクラスの男の子達が言ってたの」
「は、はは…そう」

「…なんか、不安な気配が」
「…僕も」
「だ、大丈夫だよね?フェイトちゃんだし」
「う、うん。フェイトなら」
と、思うことにした二人
まぁ、さすがにヴィヴィオもそう変な知識を仕入れてきたりはしないだろう
…多分

それからしばらく、のんびりと
過ごしていると、不意にユーノが口を開く

「…今更だけど、ほんとに後悔はない?」
「…その話し、何度も聞いてる」
「はは、うん。確かに…でも、やっぱりふとしたときに考えるんだ…あの時、僕は助けを求めるべきじゃなかった、
 自分で何とかするべきだったんじゃないか、って」
「…」
「はは、ごめん。ほんと今更だよね…散々なのはに助けてもらっておいて」
と、言うユーノになのはは静かに
「ん…」
「?!」
キス…そっと触れるだけの、軽いキス
だが、それがなのはの優しさを表しているかのようでユーノは心が温かくなった
「…もし、あの時にユーノ君と逢ってなければこうしてキスすることも、触れ合うことも出来なかった」
「なのは…」
「なにより、こんな温かくて、安心できる気持ちに気付くこともなかったんだよ?」
「…」
「だから、私は感謝してるの、あの時ユーノ君の声が聞こえて、ユーノ君が手伝ってほしい、って言ってくれて」
「そっか…」
なのはの一言一言が、心を温かくしてくれる
「ユーノ君は?」
「僕?…もちろん、なのはには感謝してもし足りないよ、いっぱい助けてもらって…今だって、こんなに安心してる…
 あの時、声を聞いたのがなのはでよかった、って」
「ユーノ君…」
「ありがとう、なのは。こんな僕のこと、助けてくれて」
「ううん、私のほうこそありがとうユーノ君。私を頼ってくれて」
「なのは…」
「ユーノ君…」
そして、自然と二人は唇を重ねる
先程より、しっかりと…互いの体温を確かめるように

ちなみに、二人の帰りを出迎えたのは
楽しそうに聴診器を握るヴィヴィオと
胸を開けていたフェイトだったとかなんとか…



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あとがき
 はい、というわけでいかがでしたでしょう
まぁ、ぶっちゃけ繋ぎなんで、かなり短いっす(を
とはいえ、一応それなりに物語は入れてるつもりなんで
読めるものにはなっている、かと
まぁ、そこんとこは読んだ人任せっすけどね(笑)

      
 
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