過保護すぎ?フェイトさん

  


「こんにちは、高町なのはです
 今からお話しするのは私の友人、フェイトちゃんの逸話です
 すべてのお話について嘘や誇張はありません
 実際に起こった出来事、ありのままの内容です
 それでは、お楽しみください…どうぞ」



キャロのお料理

「よいしょ…これでいいですか?」
「うん、上手上手♪」
「えへへ♪」
なのはに褒められ、キャロは微笑む
「でも、どうしたの?いきなり料理を教えて欲しいって」
「いえ、やっぱりこれくらいはできたほうがいいかな、って思っただけなんですけど」
「ふふ、キャロはえらいね」
「そ、そんなことないです」
照れながらも、しっかり手は動かしているキャロ
と、そこにフェイトが通りかかる
「あれ?なのは、なにし…」
「あ、フェイトちゃん、あのね…」
続きをなのはが言うより早く、フェイトはキャロのもとに
「キャロ、危ないから包丁置いて!」
「え?いえ、大丈夫ですよ」
「大丈夫じゃない、怪我したらどうするの?しかもばい菌とか入っちゃったら」
「フェイトちゃん、大げさだよ」
「なのはも、どうしてこんなことさせるの?キャロはまだ子供だよ?!」
「えっと、キャロがしたいって言ったし、私もキャロくらいのときにやってたし」
「それはそれ、これはこれだよ!さぁ、キャロ行こう」
「え?あの、フェイトさん…わわ、ひ、引っ張らないでくださ〜い?!」
「…」
さっさと、フェイトはキャロを連れて行ってしまった

エリオのお手伝い

「…っよいしょ…ここでいいですか?」
「うむ、そこでいい」
シグナムの言葉に、エリオは持っていた箱を置く
「すまないな、このような雑用」
「いえ、いい訓練になりますし、僕も一応男ですから」
「ふ…そうだな、頼もしいことだ」
「あ、他になにかありますか?ついでですからやってしまいますよ」
「いいのか?こっちは私がやろうと思っていたのだが」
「はい、僕でできることなら何でもやりますから!」
「…これはまた、頼もしいことを言ってくれるな」
そう言って、シグナムは微笑む
と、なにやら地響きのような、とにかく振動がくるほどの勢いで何かがやってくる
「なんだ?!」
「エ〜リ〜オ〜!!」
「フ、フェイトさん?!」
そう、とんでもない速度でフェイトがこちらへやってくる
「なにやってるの?!」
「え?いえ、シグナム副隊長のお手伝いですけど」
「シグナム!」
「ぬ?!…な、なんだ」
エリオの言葉を聞いたフェイトがシグナムに詰め寄る
その迫力は、シグナムでさえ一瞬たじろぐほどの気迫があった
「なんで、エリオにこんなことさせるんです?!」
「な、なぜって…エリオが手伝うといってきたのだ、それで」
「だからって、まだエリオは子供なのにこんな重い荷物持たせて!」
「あの、フェイトさん、僕から言ったことで、シグナム副隊長は何も…」
「だめだよ、もし関節が外れたり、突き指したりしたらどうするの?!」
「テスタロッサ、いくらなんでもそれほどでは…」
「シグナムは黙ってて!!」
「?!…す、すまない」
「ほら、エリオ行くよ」
「え?いや、まだ手伝いが残って…って、わ?ひ、引っ張らないでくださいよ、フェイトさん?!」
「…」
フェイトはシグナムを黙らせ、問答無用でエリオを連れて行った

キャロ水泳訓練

「ぷはっ…はぁ…どうでした?」
「うん、ばっちり!…さすがだね、もう50メートル泳げるなんて
 ほんとに泳いだことないの?」
「えへへ、はい…あ、私がこうやって泳げるようになったのはスバルさんの教え方が良かったんですよ」
「そう?…そう言ってくれるとうれしいかも♪」
微笑むスバル…しかし、すぐに顔が引きつる
「?どうしたんですか、スバルさん」
「あ、あわ、わ…」
口をパクパクと、金魚みたいに動かしながら
スバルは後ずさる
何事か、とキャロもスバルの見ているほうを向く…そこには
「………」
「?!…フ、フェイトさん?」
そう、まさに鬼の形相といっていいくらいの表情で
こちらを見ているフェイトがいた
「スバル?なに、してるのかなぁ〜?」
「い、いえ、キャロに泳ぎを教えていた、だけ…です…」
フェイトの気迫に気圧されたか、最後のほうはほとんど聞こえなかった
「へぇ〜…溺れるかもしれないとこで泳ぎを教えてたんだ」
「…い、いえ、あのですね…その…こういうのは…多少危険な状態でやったほうが身につくというか」
その言葉を聴いたとたん、フェイトの背後に文字通り炎が上がった
「ひいいぃぃぃ?!」
「そんな危険な状態で、キャロがもし溺れたらどうするの?!排水溝に髪が挟まったりして
 窒息死したりしたらどうするの!!」
「ご、ごめんなさぁい?!」
まさに蛇に睨まれた蛙状態、スバルはすっかり縮こまってしまった
「次にこんなことしたらただじゃすまないからね…キャロ、行くよ」
「え?あの、でも…わわ?ひ、引っ張らないでくださいよ〜?」
「…」
スバルに釘を刺し、フェイトはキャロを連れ去った

エリオ模擬戦

「はあぁぁぁぁ!!」
「ふんっ!」
ガキン!…
エリオの渾身の一撃は、ザフィーラの盾に阻まれた
「スピード、パワー共に悪くない…だが、この程度ではまだ俺の防御は貫けん」
「はぁ…はぁ…はい!もう一度お願いします!」
「よし、では…」

「プラズマサンダー!!」

「ぐおわぁぁぁ?!」
横から来た渾身の雷撃に、ザフィーラはなすすべもなく吹っ飛んだ
「ザ、ザフィーラ?!」
「この駄犬が、私のエリオになにしてるの!」
「ぐふっ…テスタロッサ、キャラが変わっているぞ」
ザフィーラのツッコミに対し、フェイトは静かに…
「私のエリオに何かするようなら、次は真っ二つだからね?」
そう言いながらバルディッシュを構えるフェイト
「……滅相もない」
あの瞳は本気で殺る、ザフィーラの野性の勘がそう告げていた
「さ、行くよエリオ」
「え?いえ、あの、まだ訓練が…」
「大丈夫、訓練なら私が優しく手取り足取り教えてあげるから♪」
「そ、それは嬉しくもあるんですけど…って、ちょっと引っ張らないでくださいってば?!」
「…」
横たわるザフィーラをおいて、フェイトはさっさとエリオを連れて行ってしまった




「いかがでしたでしょうか
 実は、まだまだいろいろとあるのですが…これ以上はいろんな意味で
 危険なため、お話できません
 …え?私のお話…ふふ、実はちょっとしたお話があるんですが
 それはまた次の機会に…まぁ、あれば、ですけどね♪
 さて、それではそろそろお時間となってしまいました
 もし、次の機会があればまたお会いしましょう
 お相手は高町なのはでした…それでは〜♪」





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あとがき
 ちょっと新しい試みだったんで、多少雰囲気が違ってるかもしれませんが
そこはご容赦を…
というか、なんかいろんな意味でいろんなものが飛んできそうだなぁ…
ちなみに、フェイトの態度が変わったのは順に弱いからです(笑)



      
 
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