看病は、かわいいあの娘に 



　
　




「あ〜…だる」
その日、ヴァイスは自室で寝込んでいた
それというのも、不覚にも風邪を引いてしまったのだ
「…しかし、風邪なんていつ以来だ？」
そう、考えてみるがボーっとした頭では
記憶をたどることさえ、容易ではない
「あ〜…なんか、だめかも」
そして、静かにヴァイスは眠りに落ちていった

「…ん？…冷たい」
どれくらい眠っていただのだろう
気づくと、額に冷たい感覚…その感覚に、目を覚ますと
「ん？起きたか…気分はどうだ」
「…？！シグナム」
「まだ熱はあるんだ、寝ていろ」
あわてて飛び起きようとするヴァイスを
シグナムは制する

「ほら、新しいタオルだ」
そういって、シグナムは水に浸したタオルを
ヴァイスの額に乗せる…先ほどの感覚は、これだったようだ
「サンキュ…でも、どうしたんだ？」
「ん？」
「いや、なんでここにいるのかな？って」
「ああ、ラグナから連絡があってな
　お兄ちゃんが風邪を引いた、というから非番だったし、見舞いに来たというわけだ」
「ああ、そういうこと…」
「…なんだ、嫌そうだな」
「いやいや…できれば、休んでるって聞いて心配でたまらなかった…位言って欲しいかなぁ、と」
「な？！…何を馬鹿なことを言っているんだ…まぁ、心配だったのは確かだが」
「ん？何か言ったか」
「！なんでもない、お前はおとなしく寝ていろ、いいな？！」
「はいはい」
顔を真っ赤にしつつ、そういうシグナムを
かわいいと思いつつ、ヴァイスは眠りについた

それから数時間後

「ん…」
「起きたか？」
「…おお、おはよう」
「うん…寝汗、かいていないか？」
「ん…そういや、ちょっとあるかな」
「そうか…なら、さっさと服を脱げ」
「おいおい、病人相手だぜ？少しは遠慮してくれよ」
「な、何を言っている？！汗を拭いてやる、といっているんだ！」
「おお、そっか…わりぃわりぃ」
「…まったく」
「そうすねるなよ…よっ…ほら、頼むぜ」
「うむ…！」
「ん？どうした」
「…は！いや、なんでもない。見とれてなぞいないぞ！？
　断じて、以外に鍛えているなぁ…等と、思ってはいないぞ！　」
てんぱったのか、暴露してしまうシグナム
「はは…見慣れてるじゃないか、毎晩♪」
「ば、馬鹿者？！なにを、破廉恥なことを」
「いやぁ、そういうことやってんじゃん♪」
「…知らん、さっさと済ませるぞ」
「おいおい、すねるなよ…あいてて、力入れすぎ？！」
「ふん、いい薬だ」

「…ところで、小腹は空いていないか？」
「ん？…そういや、朝から何も食ってねぇな…」
「そうか…台所、借りるぞ」
そういって、シグナムは台所へと消える
しばらくすると、いい香りが漂ってくる
そして、ヴァイスは誰にともなくつぶやく
「…なんか新婚みたいで、いいな♪」

それから程なくして、お盆に小さな鍋を載せて出てきた
「卵粥だが、大丈夫か？」
「ああ、どっちかといえばもう少し濃いやつがいいが」
「病人が贅沢を言うな…ほら、食べられるだろ？」
「…食べさせてくれないのか？」
「な？！…して、欲しいのか？」
「そりゃもちろん♪」
「……仕方のないやつだ」

「ふ〜…ふ〜…ほら、あ〜ん」
「あ〜…」
「どうだ？」
「うん、美味い♪シグナムに食べさせてもらってるってのが、最高だよな♪」
「…ばかものが…ほら、まだ残っているぞ♪」

「ふぅ〜…ご馳走さん」
「うむ…」
「…ふわぁ〜…んん」
「ん？眠いのか」
「…ああ、腹に入ったからかな、眠くなってきた」
「そうか…じゃあゆっくり休め」
そういって、ヴァイスの髪を優しくなでるシグナム
「…やはり、お前がいないと寂しいからな…ゆっくり休んで、明日は出て来い」
「…はは…シグナムにそう言われちゃ…なおさな…い…とな…」
「…眠ったか…ふふ、かわいい寝顔だな…早く良くなれ、愛しのヴァイス…」
そういって、静かな寝息を立てるヴァイスのほほに、キスをする


ちなみに、そんな二人を扉の向こうから監視…もとい、温かく見守りつつ
ガッツポーズをしていたはやてとラグナがいたことを
二人は後日知ることになる…




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あとがき
　はい、つーことでいかがでしたでしょうか
いや、ほんと遅れまくりなんはすんません(_ _)
その割りに大したことない気も…いやいや、そんなこと言ったらあかんな
うん、大丈夫よくできてる……よね？