夜空に流れる誓い


  




結婚

人によって感じ方はまちまちだが
愛するもの同士が生涯寄り添っていくことを誓う儀式
ここにもその儀式を行おうとする二人がいた

「ユーノ君、いよいよなんだね」
「うん、やっと一緒になれるんだ」
「えへへ…なんか、改まって言われると照れるね」
「そうかな?僕は何度言ってもいいんだけど」
「ユーノ君…」
「なのは…」
そして、二人の距離はゼロに……
「オホンッ…」
「…」
「…」
…ならなかった
「気持ちは分かるが、仕事だ」
「クロノ、今日位どうにかできないの?」
ユーノがそう言うのも、今日はユーノとなのはの結婚式なのだ。
だが、そんな晴れの門出の日でも事件は起こる
「掛け合ってみたがな、なら放っとくのか?と言われた」
「うにゅ、確かに放っては置けないよね」
「仕方ないか、さっさと済ませちゃおう」
「とりあえず現地にはフェイトもいる。そこで詳しい話は聞けるはずだ」
「分かった」
「なのは、気をつけて」
「うん、行ってきます♪」
こうして、長い一日が幕を開けた


「あ、なのは」
「フェイトちゃん、状況は?」
「ターゲットは一般人」
「一般人?」
「うん、ただ、魔道生物に寄生されてるの」
「どんな?」
「……それが」
フェイトは言いづらそうに、口にした
「……覗き」
「……へ?」
と、そこでターゲットである(魔道生物に寄生された)一般人が叫んだ
〈わはは、この力があれば女湯も更衣室も覗き放題だ〜♪〉
「………」
「そういうわけで、どう対処したらいいのか…」
そう言ってフェイトは頬をかく
「…そんなくだらないことのために?」
「…へ?」
「”ただの”覗き魔ごときに邪魔されたってわけ?」
「な、なのは?」
なにやら、尋常ではない声色にフェイトは恐る恐る話しかける
「…別に、人様に迷惑をかけるんだから……消していいよね?」
「なのは?!」
「…レイジングハート、いくよ」
『Y,Yes master…』
(レイジングハートが怯えてる?!)
そして、なのははエクセリオンモードを起動させる
「な、なのは?!いくらなんでもそれは!」
「…エクセリオンバスタースタンバイ」
『…All lghit』
「って、本気?!」
「せっかくユーノ君がいろいろと準備してくれたのに…」
「…なのは?」
「忙しい合間を縫って準備してくれたのに…」
「えーと…」
「お給料を三ヶ月分かけてドレスまで買ってくれたのに…」
「……」
「最近不景気なのも…」
「……?」
「クロノ君に彼女が出来ないのも…」
「ちょっと待って、なのは?」
「学校の授業が分からないのも…」
「もしもーし?」

「全部あんたのせいだぁぁぁ!」

「いや?!全部あの人関係ないし!!」
というフェイトのツッコミを無視し、なのはは”全力全開”のエクセリオンバスターを放った


「……まぁ、今回は何とかなったものの、一歩間違えば人殺しになっていたんだぞ」
任務が終わり、アースラに帰還したなのはにクロノがそう言って釘を刺した
ちなみに、エクセリオンバスターの直撃を受けた一般人は複雑骨折、全身打撲という軽傷で済んだ
もちろん、普通に考えれば軽くないのだが下手をすれば灰となっていたのだから、軽いほうだろう
「だって…」
「気持ちは分かる…だが、フェイトに聞いた限りまったく関係のないことも言っていたそうじゃないか」
「…」
「…ふぅ、とりあえず今日はここまでだ。ユーノが待ってる」
「え?…うん♪じゃあね、クロノくん」
そう言ってなのははそそくさと帰っていった

「あ、なのは」
「ごめん、ユーノ君待った?」
「ううん、大丈夫」
「良かった…それよりごめんね、いろいろと」
申し訳なさそうななのはの頭をユーノは静かになでた
「気にしなくていいよ、こういったことがあるのは初めからわかってたし」
「でも…」
「…じゃあ、ここでしようか?」
「え?」
「誓いの言葉だけ、それならどこでも出来るでしょ」
「…うん、そうだね」
そして、二人は手を合わせる
「新郎、ユーノ・スクライアは新婦高町なのはを妻とし、病めるときも健やかなる時もこれを愛し
伴に歩んでいくことを誓います」
「新婦、新婦高町なのははユーノ・スクライアを夫とし、病めるときも健やかなる時もこれを愛し
伴に歩んでいくことを誓います」
「……」
「……」
「あ、あはは…なんか、こう改まって言うと照れるね」
「う、うん…でも、なんかいいかも」
そう言って、なのはは微笑む
「なのは…」
「え?あ…ユーノ君」
「…」
「…」
静かに、二人は唇を重ねる
「…ん」
「…」
「…もぅ、ユーノ君ったら」
「ごめん、なんかなのはがかわいくて」
「……ホント、ユーノ君ってずるいよね」
「え?そうかな」
「そうだよ、そんなこと言われたら何も言えないもん」
そう言ってなのははそっぽを向く
「ごめん、なのは」
「つーん」
「なのは〜〜」
「…一緒にいてくれる?」
「え?」
「これからもずっと一緒にいてくれる?」
「……うん、ずっと一緒だ」
「本当に?」
「うん、これからもずっと一緒にいよう」
「…えへへ、うん♪」
そううなずいたなのはは今までで一番輝いていた


------------------------------------------------------------------------------------------
あとがき
 松丸大地様からのリクでなのはとユーノの結婚話
…すみません、とか言いつつまったく結婚話っぽくないですね(汗
だって、結婚なんてしてないんだもん
まぁ、結局のところ私が未熟なだけなんですがね……
次は頑張りますんで見捨てないでね(笑)





 
inserted by FC2 system