はやての苦労


  




「あ、ユーノ君」
「ん?なのは、どうしたの」
「うん、今ちょっといい?」
「かまわないけど、なに?」
「うん、あのね・・・」

「またや・・・」
そう言ってはやてはなにやら楽しそうに話し込んでいる二人を見る
「なんやろ、別になのはちゃんと話してるだけやのに、この不快な気分は」
はやてはそう言って目を閉じる
そうすると、次第に見えてくる
ユーノの笑顔、困った顔、楽しそうな顔、全部心地いい
でも、なのはたちと話している笑顔だけは、なぜか不快な気分になる
はやてはそっと目を開ける
「・・・もしかして、うち・・・・」


その後家に戻ったはやては特になにをするでもなく、部屋で休んでいた
「・・はぁ」
「・・・主、そうあからさまなため息を疲れると気になるのですが」
そう言って新聞を読んでいたシグナムははやてに問いかける
「なにかあったのですか?」
「・・・なんでもないわ」
「その間がなければ信じましたが・・・」
シグナムはそう言って新聞をたたんだ
「主、あなたはもう少しわがままになるべきだ」
「シグナム?」
「われら守護騎士は主の望むことはすべて成す覚悟です」
「・・・」
「しかし、主はあまりにも欲がなさ過ぎます」
そう言ってシグナムははやてのもとへ
「主、誰も、あなたを責めはしません。誰しも欲望というものは持っています」
「・・・・」
「それが善か悪かは誰にも決められはしないのです」
「シグナム・・・・」
「ですから、あなたはもう少し言葉にするといい。自分の想いを・・・」
「・・・・・はぁ」
「主?」
「あかんなぁ、うちみっともないわ」
そう言ってはやては立ち上がる
「そやな、シグナムの言うとおりや、話もせんと決めるのはよくないな」
「主・・」
「ありがとな、シグナム。うちほんまにええ家族を持ったわ」
そう言って微笑むはやてにシグナムも微笑んで答えた
「それはお互い様です」


翌日、はやてはなのはに話があると呼び出した
「どうしたの?はやてちゃん」
「えとな、ちゃんと言うとこ思てな」
「?なにを」
「うちな、ユーノ君と・・・・・付き合ってるんや」
「・・・・・」
「こないなこと言うんは変かも知れんけど、なのはちゃんでも譲る気ないから」
そう言ってはやてはまっすぐになのはを見た
しかし、なのはからは予想外の答えが返ってきた
「えと・・・なんで?」
「え?」
「その、ユーノ君と付き合ってるのは知ってるけど」
「もしかして、私がユーノ君を取るって思ってる?」
「ちゃうの?」
「違うも何も、友達の彼氏を取るようなことしないよ」
そう言ってなのはは微笑んだ
「それより、早くユーノ君のところに言ったら?」
「え?」
「ふふ、驚くよ♪」
「?」
何かはぐらかされたような感もあるが
とりあえず、なのはの言うようにはやてはユーノのところへ向かった


「あ、はやて」
「えと、今ええ?」
「うん、僕もちょうどはやてに話があったんだ」
「え、そうなん?」
「うん、あ、立ってるのもなんだし食堂にでも」
「うん」
そして二人は食堂へ移動した


「それで、話って?」
「ユーノ君こそ、話って?」
「はやてから」
「ううん、ユーノ君から」
「いや、はやてから先に」
「そんな、ユーノ君からでええよ」
「・・・・・」
「・・・・・」
「このままじゃ埒が明かないから、僕から言うね」
「うん」
そう言うとユーノは改まって懐からひとつの箱を取り出した
「これは?」
「はやてに」
「うちに?」
「うん、誕生日おめでとう」
「え?」
「実はなのはに教えてもらったんだ。もうすぐはやての誕生日だからプレゼントあげなよ、って」
「・・・・」
「正直、どんなものがいいのか分からなかったから気に入らないかもしれないけど」
そう言ってユーノは微笑んだ
「・・開けても、ええ?」
「もちろん」
はやては丁寧に箱の包装を解いて開けた
「これ・・」

中に入っていたのは向日葵の形をしたカチューシャだった
「どうかな?はやてっていつも明るくて、向日葵みたいな笑顔するから」
「くさいセリフやな」
「あ、ひどっ?!これでも精一杯考えたのに」
「あはは、うそや。うれしいで」
そう言ってはやてはカチューシャをつけた
「どうや?」
「うん、似合ってる」
「なんや、そうはっきり言われると恥ずかしいな」
「ホントのことだもん、それにはやてはかわいいから」
ユーノの言葉にはやては一瞬で顔を真っ赤にした
「な、な、なに言うとんの?!」
「?僕変なこと言った」
「変、ちゅうかなんちゅうか・・・・はぁ」
「?」
(いまさらやけど、天然なんかな・・・ユーノ君て)
笑顔のユーノを見ながら、はやてはこれから先どれほど苦労するのか
不安を覚えつつ頑張っていこうと心に誓うのだった



ちなみに

「あ、なのは」
「フェイトちゃん♪」
「ねぇ、お弁当作ってきたんだけど、どう?」
「うん♪、食べる」
「じゃあ、はい、あ〜ん」
「あ〜ん」
「どう?おいしい、なのは」
「うん、フェイトちゃんが作ってくれるのは全部おいしいよ」
「もう、なのはったら」
「えへへ♪」
「・・・」
「・・・」
「なのは・・・」
「フェイトちゃん・・・」
二人は見つめあい、そして・・・・・

ここより先は自主規制のためお見せできません。あしからず・・・



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あとがき
 はい、というわけではやての恋煩いのその後という感じで書きました。
といっても、はやての誕生日っていつなんでしょう?
資料集にも書いてなかったような・・・・見落としたかな?
あと、最後のやつは勢いで書いたんでその後はありません(笑)





 
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