なのはとユーノ





なぜか、その日はなのはの機嫌が悪かった
理由は後になって分かるのだが、そのときはただなぜ怒っているのか理解できなかった

「ユーノ、おいで」
「キュ」
ユーノは机の下を通って美由希のところへいった
「ユーノはおりこうさんだねぇ」
「キュ、キュ」
「あはは、よしよし」
そういって美由希はユーノの頭をなでた
「・・・・」
「!?」
突然背筋に鋭い視線を感じユーノは振り返った
《楽しそうだね、ユーノ君》
《な、なのは?》
《お邪魔みたいだし、私は外に出てるよ》
《な、なのは、ちょっと?!》
しかしユーノの制止も聞かずなのはは外に出て行った


「ユーノ君ったら、でれでれしちゃってさ」
「・・えと、なのは」
「大体、ユーノ君はいつも・・・」
「・・・・」
どうやら何を言っても無駄なようだ。フェイトは諦めてなのはが話終わるのを待った


それから30分後
「・・どうしてこんなこと言ってるんだろ、私」
「なのは?」
「ごめん、フェイトちゃん。変なこといって」
「ううん、いいよ、話くらいなら聞いてあげられるから」
そういってフェイトは微笑んだ
「でも、ほんとにどうしてあんなに頭にきてたんだろう?」
「・・・なのは、もしかしてなんだけどね?」
「ん?なにフェイトちゃん」
「もしかして、美由希さんに嫉妬してるんじゃないのかな?」
「ふぇ?お姉ちゃんに嫉妬?」
フェイトの言葉になのはは不思議な顔をした
「うん、もしユーノがクロノでなのはが私だったらそうなると思う」
「うーん、そうなのかな?」
「違うの?」
「・・・分かんない」
しかし、なのはにはなんとなくだがどうすればいいか分かっていた


一方そのころ
「というわけなんだ」
「なるほどな」
ユーノはクロノのところへ来ていた
「しかし、僕にはなんとなくなのはの気持ちは分かるね」
「え?」
「まぁ、君が同じ立場ならって考えてみれば分かるよ」
「・・・・」
クロノの言葉にユーノは考えた
もし、なのはがユーノでユーノがなのは。美由希さんがクロノだとすると・・・・
「・・・何も言うな、ユーノ」
「え?なんで」
「顔に出てる、思いっきり嫌そうな顔だ」
「え?僕そんな顔してる?」
「してた。でも、それなら分かっただろう?なのはの気持ちが・・」
「・・だけど、それは」
「同じじゃないのか?なのはも」
「え?」
「でなければ、そんな風にはならないだろう」
「・・・」
それは、そうならと思ったことはある・・・だが、ただの勘違いだったら
そう考えるとその答えを認められなかった
「・・何事も伝えることだ」
「え?」
「今、伝えられることがあれば伝えるべきだ。その結果がどうなろうと、自分で決めたのならいいじゃないか」
「クロノ・・」
「とにかく話して来い、すべてはそれからだ」
「・・ありがと、クロノ」
「・・・いいから、さっさと行く」
照れくさいのかクロノはそっぽを向きながらそう促した


「やっぱり、話すべきだよ。なのは」
「フェイトちゃん・・」
「なのはの今の気持ち、ちゃんとユーノに伝えなきゃ」
「だけど・・」
なのはもフェイトの言いたいことは分かっている。しかし、それによって何か変わってしまうのが怖いのだ
「・・なのは、あの時私に言ってくれたよね?」
「え?」
「話すだけじゃ解決しないかもしれないけど、話すことで分かることもあるって」
「・・・」
「ね?なのはなら大丈夫だよ」
「・・うん、ありがとフェイトちゃん」
フェイトの言葉になのはは相談してよかったと心から思った


「・・・どうしよう、どう言えばいいかな?」
ここは海鳴公園。現在ユーノの周りに人影はない
「勢いで出てきたけど、どうすれば・・」
「あれ?ユーノ君」
「え?な、なのは」
後ろを向くとちょうど入り口のほうからなのはが歩いてくるのが見える
「どうしたの、こんなところで?」
「なのはこそ、どうしてここに?」
「えっと・・・」
「・・・」
しばしの沈黙

「なのは、実は話したいことがあるんだ」
「え?」
意を決したようにユーノはそうなのはに告げた
「こんなこといきなりだし、いろいろとあるだろうけど・・・」
「・・・」
「その・・・僕は・・・・なのはが好きだ!」
「?!」
ユーノの告白になのはは一瞬固まった・・・そして
「よかった」
「え?」
「えへへ、実は私もユーノ君に言おうと思ってたことがあるんだ」
「僕に?」
「うん、私ね・・・ユーノ君のことが好き」
「え?」
「異世界の住人とか関係ないよ、だって私たちこうして出会ったんだもん」
なのははそういってユーノの手をとった
「こうやって触れることだってできるし、ユーノ君が元の世界に戻ってもリンディさんに頼めばいいでしょ♪」
「なのは・・・そうだね」
なのはの言葉にユーノは微笑んだ
「こんな僕だけど、これからよろしくね」
「うん♪」


それから1週間後

「待ってよ、なのは」
「ユーノ君はおねえちゃんのほうがいいんでしょ」
「だ、だから誤解だって、あれは動物形態だから」
「嬉しそうにしてたくせに」
「なのは〜」

「なにやってるんだ、あの二人は」
「なのはが嫉妬してるんだよ」
そういってフェイトはいきさつを話した
といってもいつものごとく美由希がユーノ(動物形態)と遊んでいただけだが
「まったく、情けないなユーノは」
「でも、クロノもエイミィと仲いいよね」
「な、なに?」
フェイトの言葉にクロノは珍しく焦った顔をした
「やっぱり、エイミィみたいに胸が大きくないといけないのかな」
「いや、別にエイミィとは仕事上のパートナーで、それ以上でもそれ以下でもなくて」
「本当に?」
「うん、フェイトのほうがずっとかわいい」
「・・もう、でも嬉しい」
フェイトはそういって微笑んでクロノの手を握った
「・・・とにかく、何があっても僕がフェイトを護るから」
「うん♪」



おしまい

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あとがき
 というわけでなのは×ユーノです。以前クロノ×フェイトだったので今度はこの二人で
と書いてみたのですが・・・最後はクロノとフェイトで終わってて、なんかどっちが主役か分かりませんね(笑)
まぁ、ほのぼのとした感じでは書けたんで、自分的には満足です。

 
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