だって…女の子だもん


  



「♪〜♪♪」
その日、うきうきとした足取りで
なのはは無限書庫へと足を運ぶ
当然、愛しのユーノに会うためだ

「えへへ、びっくりするかなユーノ君♪」
扉の前で、一人笑みを浮かべるなのは
「何はともあれ…ユーノく…」
と、扉を開けて中に入ろうとするなのはの目に
親しげにするユーノとアルフの姿が…

「えへへ、なんかユーノに撫でられると安心するよ♪」
「そう?」
「うん、フェイトも優しく撫でてくれるけど、ユーノはまた違った感じで
 すごく好き♪」
「あはは、それはよかった」

「すごく、楽しそう…」
そんな二人の様子を見ていたなのは
不意に、一つの考えが浮かぶ
「…そうだ、いい機会だからユーノ君に悪い虫がつか…じゃない
 ユーノ君がどういう生活してるか見守ろう」
そう、結論付け行動開始…

「よぉ、ユーノ。珍しいな、こっち来るなんて」
「ヴィータ…まぁ、たまには外に出ないとノイローゼになるし
 それより、訓練?大変だね」
「別に、どっかの誰かさんのようなもやしっ子じゃねぇし」
「あはは、ひどい言われよう…」
「…別に、悪気があって言ったんじゃねぇぞ?
 適材適所、ってやつだよ、お前はお前で頑張ってるし…」
「あはは…うん、ありがと」
「か、勘違いするなよ?!ただ、事実を言っただけで、他意はねぇからな!」
「うん、わかってる♪」

「…すごく楽しそう…ヴィータちゃん、あとでしめ…じゃなくて
 釘を刺しとかなきゃ」
なにやら物騒なこといいつつ、移動するユーノを追って
なのはも移動

「ユーノさん」
「ん?ティアナ、どうかしたの」
「いえ、たいした用事ではないんですが…ご迷惑ですか?」
「ううん、そんなことないよ」
「よかったです…ちょっと、魔法のことでご相談が…」

十分後

「なるほど…さすが、ユーノさん」
「そんな、ティアナこそ飲み込み早いね」
「いえ、必死なだけです…お時間取らせてしまって、すみませんでした」
「ううん、こんなことでよければいつでも相談にのるから」
「はい、ありがとうございます♪」

「…ティアナまで…もう一度頭を冷…じゃなくって注意しとかなきゃ」
と、またもや何か鎌首をもたげそうなところを留め
ユーノを追って、なのはも移動する

「ユーノさん」
「ん?…あ、ギンガさん」
「お久しぶりです、その後いかがですか?」
「うん、大丈夫…ギンガさんも、変わりない?」
「ええ、あいも変わらず、です♪」
「あはは、それはよかった…元気が一番だからね」
「まぁ、元気すぎて困る子もいるんですけどね…」
「あ〜…まぁ、それも個性でしょ」
「そうですね…ふふ、なんか不思議ですね」
「?」
「いえ、なんかユーノさんと話してると疲れが消えるって言うか
 なんか、清々しい気持ちになれるんです」
「いや、僕はそんな大それたことはできないって」
「ふふ、ただそう感じるだけですから、お気になさらず♪」
「う、うん…」

「…飛び切りの笑顔…ちょっとスクラ…おほん
 お灸をすえてあげなきゃね」
と、今度はどちらに転んでも物騒なことをいいつつ
…以下略

「ユーノ」
「フェイト、久しぶり」
「うん…元気そうだね」
「まぁ、缶詰状態になってるけど、ね」
「…もしかして、無理難題吹っかけてる?クロノ」
「いや、別にそういうことはないよ…若干、悪戯心はあるだろうけど」
「…はぁ、クロノったら」
「はは、まぁそういうとこはクロノらしいし」
「それもどうかと思うんだけど…ところで」
と、そこでフェイトは一呼吸置き、小声で
「なのは、どうしたの?」
「あ、あはは…どうしたんだろうね」
そう、実は最初からなのはがつけてきていることは知っていた
なにせ、通路にぴょこん、と彼女の特徴的な髪が飛び出していたから…

「どうも、つけてきてるみたいだけど、特に何をするわけじゃなさそうだし」
「…ユーノ、今日誰と会った?」
「え?…んっと」
フェイトの言葉に疑問を持ちつつも
ユーノは今日出会った面々を挙げる
「…なるほど、そうなると私もやばいか」
「??」
なにやら、思い当たったようなフェイト
しかも、意味深な発言
「デリートされる前に退散…ユーノ、ちゃんと見ててあげてね?」
「?????」
そう言って、そそくさとその場を離れるフェイト
もちろん、ユーノには何を言ってるかさっぱりだ

その後、さすがにこのままは…と思ったのか
なのはがユーノに声を掛けてきた

「ユ、ユーノ君」
「なのは」
「えっと…偶然、だね、こんなとこで会うなんて」
「……偶然じゃないと思うよ?」
「え?」
「いや、だってつけてきてたでしょ?今日ずっと」
「?!…き、気づいてた、の?」
「はは…まぁ、ね」
言うべきではなかったか、とも思うユーノだったが
正直、さも知りませんでした、という風に振舞うのは
無理な話だ…
「あうぅ〜、気づいてたなら声かけてよ…」
「いや、そうも思ったんだけど…ちょっと、かけづらかったというか」
「う…ごめんなさい」
「いや、別に謝らなくても…」
「でも、嫌だったでしょ?私も、その…今思うと、いきすぎだったと思うし」
そう言って、しゅんとしてしまうなのは
「まぁ、実害があったわけじゃないし…でも、どうしてそんなことを?」
「んと…」
ユーノの当然の問いに、なのはは口ごもる
しかし、黙っているのは悪いと思ったのか
小さな声で一言
「…だって、他の女の子と仲良くしてたから」
「え?」
「…」
一瞬、言葉を理解できなかった
だが、まるで茹蛸のように真っ赤な顔のするなのはを見れば
それがどういった意味を持つのか、明白だった
「…もう、かわいいななのはは」
「え?…ん!?」
いきなり、ユーノはなのはにキス
「ちょ、ユーノ君?!」
「大丈夫、誰と一緒にいたって
 なのはと一緒の時間以上に楽しい時間なんてないから」
「あ…あぅ…ずるいよ、いきなりそんなこと…」
ユーノの言葉に、さらに顔を真っ赤にするなのは
「はは、そういうかわいいとこが見たいって思うのは
 やっぱり、なのはだけだね♪」
「…もぅ…ふふ、でも嬉しい♪」
そう言って、今度はなのはからキス
「ん…やっぱり、するよりされるほうがいいかな」
「もぅ、ユーノ君のエッチ」
「はは」
「ふふ」
と、どちらからともなく笑う
「ユーノ君…」
「なのは…」
そして、先ほどより長く、熱いキスをするのだった…


その後、二人のバカップル振りが強化されたことは言うまでもない



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あとがき
 はい、つーわけでバカップル、いかがでしたでしょう(笑)
いやぁ、やっぱユーなのは書きやすいわ。さくさく書けた
でもって、途中ブラックなのはさんが出てましたが
仕方ないのです…だって、女の子だもん(笑)


      
 
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