パートナー


  




「シグナム、ちょっとええか?」
「主?なんでしょう」
居間で新聞を読んでいたシグナムははやてに呼ばれ振り向いた
「ちょっと手伝ってほしいことがあるんやけど」
「手伝い?ですか」
「うん、あかん?」
「いえ、私でよければ」
「そか、じゃあ早速・・・」


そしてはやてにつれられシグナムはアースラのトレーニングルームへやってきた
そこにはすでにクロノとフェイトがいた
「シグナムがパートナーか、いい選択だ」
「そんなこといって、後悔しても知らんで?」
「ふ、そうなることを願うよ」
その言葉とともに二人の間に火花が散った

「・・・テスタロッサ、これはどういうことだ?」
「はやてに聞いてないんですか?」
「うむ、手伝ってほしいとしか」
そういうシグナムにフェイトはことの経緯を話した
「クロノが”それじゃだめだな”って言ったの」
「なにがだめなのだ?」
「戦い方」
「戦い方?」
「クロノから見るとはやてはスタンドアタッカーなんだって」
「スタンドアタッカー・・・単独先行型か」
「で、違うってはやてが言ったからクロノがじゃあ証拠を見せろって」
「なるほど、それでマッチ戦をということか」
と、二人が話しているうちにクロノとはやてはすでにバリアジャケットを装備していた
「フェイト、はじめるぞ」
「シグナム、はよ用意して」
そんな二人を見てフェイトとシグナムは肩をすくめて顔を見合わせた


『では、私エイミィがルールを説明するよ』
全員の準備が整ったことを確認すると
管制室からエイミィが回線を開く
『どちらか一方のパートナーの戦闘不能、もしくは降参によって勝敗は決定する』
「・・・」
「・・・」
『なお、広域砲撃系などAAクラス以上の魔法に関しては使用不可』
「・・・」
「・・・」
『また、その他致死に相当する攻撃等も禁止』
一通りエイミィは話し終え最後に一言
『ほんじゃま、楽しくバトって頂戴♪』
そして戦いの火蓋は切って落とされた


「リイン!」
『はい、マイスター』
はやての周りに水蒸気が立ち込める
「ん?!」
「クロノ、気をつけて」
「いくで、ミラージュミスト」
その言葉とともにはやての周りは濃い霧に包まれた
それとともにシグナムはフェイトに向かって切りかかる
「余所見は禁物だぞ、テスタロッサ!」
「?!・・・くっ!」
はやてに気をとられていたフェイトはかろうじて防御をしたものの
まともに吹っ飛ばされた
「フェイト?!・・・くっ!」
「クロノ君も、余所見は禁物やで」
フェイトに気をとられていたクロノはもろに一撃を食らった
「ぬ・・・・・?!」
「どないした?まるでお化けでも見たような眼して」
「ふ、知覚制御の魔法か」
そう言ってクロノは目の前のはやて”たち”を見る
”たち”、そう今はやては三人いる。といっても本当に三人いるのではなく
はやての周りに立ち込めている霧、それに幻覚作用があるのだ
それによりあたかも”三人いるよう”に見えるのだ
「さぁ、本物が見抜けるかな?」
「ふ、それだからまだまだだというんだ」
そう言うとクロノは目を閉じた
(知覚操作の魔法はあくまで知覚を狂わせるのみ、つまり・・・・)
「・・・そこだ!!」
「え?」
絶対に見破れないと自負していたのか、はやてはクロノの一撃に対処することができなかった
「あう?!」
「ふ、この程度で僕を欺けるとでも?」
「な、なんでや?完全に狂わせたはずやのに」
「簡単さ、知覚を惑わされたのなら魔力をたどればいい、本体と幻影では魔力量が違うからな」
「・・・さすがやね、ほならもうちょい本気だそか」
そう言ってはやては不敵に笑った



一方

「はっ!」
「せいっ!」
刃のぶつかる音が響く
「・・・さすがだな、あれからさらにスピードが上がったぞ」
「シグナムも、以前に比べて一撃が重くなってます」
「当然だ、日々の鍛錬を怠るとでも思ったか?」
「いいえ、私も同じですから」
そう言ってフェイトはバルディッシュを掲げる
「バルディッシュ、カートリッジロード」
『Yes sir』
「ふ、ならばこちらも・・レヴァンティン!」
『Ja!』
そして、互いに同時に地を蹴る
「サンダーブリッツ!」
「紫電一閃!」
互いの技がぶつかり雷と炎の柱が上がる



「3,4,7!」
はやての言葉に従って誘導弾がそれぞれクロノに向かって飛んでいく
「あまい!」
しかしそのすべてをクロノは軽くかわし、同時にタイミングよく互いに誘爆させた
「相変わらず化けもんみたいやな・・・・」
「誘導弾を計14個も操作するほうが化け物じみてると思うが?」
「なのはちゃんたちもこれ位やるけど?」
「・・・・やはり化け物だ」
あきれ気味にクロノはそうつぶやいた



「・・・さすがに・・・はぁ・・・限界か」
「はぁ・・・はぁ・・・そうですね」
シグナムとフェイトは互いに息が上がっていた
それというのも、二人の場合ほとんど近接戦闘を主体としているため
身体に対する負担が大きいのだ
「・・・なら、次で決めようか」
「・・・・わかりました」
互いにうなずき、それぞれのデバイスを掲げる
「レヴァンティン!」
『Bogen form』
掛け声とともにレヴァンティンの姿が弓矢へと変わっていく
「バルディッシュ、カートリッジロード」
『Yes sir』
対してバルディッシュの姿も巨大な剣へと変わっていく
「一閃撃滅」
「疾風迅雷」
「シュツルムファルケン!」
「ジェットザンバー!」
二人の最強技が中央で衝突、巨大な閃光が走った



「ほんじゃ、いくでリイン!」
『はい、マイスターはやて』
そしてはやてはデバイスを掲げる
「ふ、ならばこちらも行くか」
『OK, Boss』
はやてとともにクロノもデバイスを掲げる
「闇を照らす祝福の翼、悪しき物を貫く聖なる光」
はやての言葉に呼応するように3つの巨大な光球が表れる
「凍てつく蒼き刃、すべてを冷たき眠りへと誘う冷たき女神よ」
そして、クロノの回りには氷の結晶と幾本もの剣が現れる
「ラグナロク!」
「アイスヴァルキリー!」
巨大な光球と氷の剣が互いにぶつかりはじける



そして、四つのすさまじいまでの魔力のぶつかり合いにより

ドカァァァァァァン!!

トレーニングルームを半壊させた
「・・・けほ」
「・・けほ、ど、どうなったのだ?」
「けほ、ごほんっ、なんやなんや?」
「・・・どうやら、魔力のぶつかり合いによって爆発が起こったらしいな」
と、冷静にクロノが分析したところで地の底から響くような声が響いた
『魔導士のみなさ〜ん♪』
「びくっ?!」
「?!」
「ひゃう?!」
「?!」
『ええっと・・・ご説明不足でしたか?"AAクラス以上の魔法は使用不可"・・・・・そう言いましたよね?』
「ブルブル・・・」
「・・・・・」
「はうあう・・・」
「・・・・・」
『皆さんがさきほど放った魔法はどれも"AAAクラス以上"ですよねぇ?』
「ガクガク・・・・」
「・・・・・・」(冷汗
「はわわ・・・・」
「・・・・・・」
『さ〜て♪・・・・・どうしましょうかね?』
エイミィの言葉にクロノたちはそろってこう思った
(殺られる?!)



その後クロノたち四人はしばらくの間エイミィにこき使われたのでした・・・・




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あとがき
 というわけでyagamiマガジン応援ss・・・・・のつもりだったのですが
なんか誰がメインかよく分かりませんね(汗
本当はもうちょいはやてを、と思ったんですが書いてるうちに戦闘シーンを書くのが楽しくなってしまって
そっちメインになってしまいました(笑)





 
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