最初で最後のプロポーズ

  

「でな、ロッサったら”君以上の女性なんていない”なんていうんや♪」
「うわ、ほんとに?」
「もう、顔が火照ってしもてな♪」
「いいなぁ、ユーノ君もそれくらい言ってくれれば…」
「…なのは、相手がいるだけいいじゃない」
「あ、ご、ごめんフェイトちゃん」
「別にいいけどね、いまさらだし…」
そういってふてくされるフェイト
とはいえ、別にやっかみでいっているわけではなく
単に、ちょっと困らせたい、というお茶目心で、だ

「あ、それはそうと二人とも式って挙げないの?」
「え?」
「あ、そうかそれはまだだよねぇ」
フェイトの言葉に、二人とも違った反応
「なのは、まだ、ってもしかして?」
「にゃはは♪うん、婚約、って言うのかな?それしちゃった♪」
笑顔でそういうなのは
「わ、ほんまか?おめでとう」
「にゃはは、ありがと♪」
「…いつの間に」
「まぁ、それは…ね?」
察してよ、な顔のなのは
当然、はやてとフェイトもいい大人なのでそれ以上追求することはしない

「そか、そういえばそれらしい話は一度もしとらんな」
「そうなの?」
「まぁ、まだ早い思うとったしな」
「そんなこといってると、遅れるよ…私みたいに」
「…フェイトちゃん、今日はやけに突っかかるな?」
「そんなことないよ?」
とぼけて見せるフェイトに、やれやれと思いつつも
はやては別のことを考える
(そっか、ユーノ君となのはちゃんはもうそこまでいっとるのか)

後日

「なぁ、ロッサ?」
「ん?なんだい、はやて」
「私のこと嫌いか?」
「ぶっ?!…な、なにをいきなり」
突然のことに、ヴェロッサは噴出す
「いやな、ユーノ君となのはちゃんが婚約した、いうんよ」
「あ、僕もユーノに聞いたよ、めでたい限りだね」
「せやねぇ、あの二人もついに…って、ちゃうわ!」
つい、ノリ突っ込みをしてしまったはやて
「ほぉ、絶妙だね♪」
「はは、おおきに…って、ちゃうっつーの!」
性か、続けて突っ込むはやて
「個人的に面白いけど、話進まないから聞こうか」
「せやね…」
脱力しつつ、はやては話を続ける
「せやからね、私たちも、いうの?ないん?」
「う〜ん、そうだねぇ」
どうも、煮え切らないヴェロッサ
普段からおちゃらけている感じはあるが
決して、人の嫌がるようなことはしない
なので、今の状況はどうもおかしい
「…」
「睨まないでくれよ…あ、ごめんそろそろ任務の時間だ」
「あ、ちょ、ロッサ?!」
制止するはやての声も聞かず、ヴェロッサは任務へと

「…なんやろな」
一人、はやては自室で物思いにふけっていた
当然、考えることはヴェロッサのこと
(…重い、んやろか?)
俗に、結婚というのは男にとって重い、といわれている
それというのも、結婚するといろんな面でやらなきゃいけないことが増えるためだ
そういった面から、結婚を迫る女性は嫌われる、ということも言われている
「…嫌われたら、いやや」
そういって、はやては顔を枕にうずめる

その頃

「…それ、ください」
「はい、ありがとうございます♪包装いたしますか?」
「はい、プレゼント用に」
「かしこまりました…彼女に、ですか?」
「う〜ん、正確には”だった”ですかね」
「え?」
「これから、”妻”ですから♪」
「あら、それはそれは♪」


翌日

「はやて」
「あ…ロッサ」
「よかった、話があったんだ」
「…私も、ロッサに謝らんと」
「?何か謝るようなことしたかい?」
「…重かったんやろ?結婚」
「は?」
「ええんや、私が急ぎすぎただけなんや
 結婚なんて、いつでもええんや…せやから、嫌いにならんといて?」
「…」
そう、涙目で言うはやてに…
「…ぷっ」
「へ?」
「あはははは♪」
「え?あれ?私、なんか面白いこといった?」
突然笑い出すヴェロッサ、はやてはわけがわからないといった感じだ
「あはは…いや、悪い…くく」
「な、なんや?!気分悪いな」
「ふふ…じゃあ、お詫びというか、今夜付き合ってもらえるかい?」
「今夜?」
「そう、そのときになればはやては驚く」
「驚く?何に」
「それはそのときのお楽しみ♪」
「…余計気分悪くなったわ」
そういうはやてに、ヴェロッサはまたも笑った

そして夜

「わぁ、綺麗やな♪」
そういって、はやては高台からの景色を眺める
今いるのは、海鳴市の近くにある高台
「どうだい?すごいだろ」
「ほんまやね、いやぁ、確かに驚いたわ」
「おっと、これは前座。本命はこれから」
そういって、ヴェロッサは懐から小さな箱を取り出す
「え?これは…」
「プレゼント…開けてみて?」
「う、うん」
はやては綺麗に包装されている包みを解き
箱を開ける…そこには
「え?これって」
「まぁ、たいしたものじゃないけどね」
箱の中にはひとつの指輪
見た目的にはどこにでもあるようなシルバーリング
だが、その意味は…
「たいしたもんじゃない、ってそれよりも?!」
「…おほん」
ひとつ、咳払いをしてヴェロッサは静かに告げた

「八神はやてさん、私と…結婚していただけませんか?」
「?!」
プロポーズ…そして、それと同時に花火が打ちあがる
その光は、二人を神々しいまでに照らす
まるで、神の祝福を受けているかのように…

「…嘘、やない?」
「心外だな、これでも断られたらどうしよう、って結構不安なんだよ?」
「断るやなんて?!そんなこと!」
「…じゃあ」
「…不束もんですが、どうぞよろしゅう」
「ふふ…こちらこそ」
「…ロッサ」
「はやて…」
そして、二人はその場で誓いのキス


その後の二人はというと…

「ダーリン、忘れもんやで♪」
「ちょ、はやて、仕事場でその呼び方は」
「なんや、つれないなぁ…昨晩はあんなに激しく…」
「わー!わー!な、なんてこと言うんだ?!」
「うふ♪」
「…まさか、小悪魔だったとはね」
「あら、それ褒め言葉なんやで?」
「…知ってるよ、だって褒めてるんだから」
「…ロッサも、案外いい性格やね」
「褒め言葉と受け取っておくよ♪」
「はは、そうしとき♪」

と、いう感じで
今まで以上にべたべたとするようになったとさ



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あとがき
  はい、というわけでプロポーズネタでしたがいかがでしたでしょう?
そんだけか?っていわないでください…
だって、プロポーズなんてしたことないもん、どんなもんか知らんわ
つーわけでこうなりました、以上(笑)

      
 
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