ユーノ争奪戦


   




「ユーノ君、結婚して♪」
「は?!」

その日、久しぶりに六課のほうへとやってきたユーノ
そこで出会ったなのはに、いきなりそう言われたのだ

「ちょ、なのはいきなり何?」
「最近気づいたの、ユーノ君のことが大好きだって♪」
「え?い、いや、うれしいけど結婚って…」
「もぅ、止められないの…ユーノくぅん♪」
そういって、なのはは抱きついてくる
「ちょ、なのは?!待って、僕は…って、ちょっと?!」
それだけではなく、なのはは顔をユーノに近づける
「ん〜…」
「だ、だめだっ…って!」
「ああん、ユーノ君」
「ごめん、なのは!」
そういって、ユーノはさっさとその場を後にした

「いったい、どうしたんだ?」
「あれ?ユーノ」
「フェイト」
と、ちょうどそこでフェイトに出会う
「どうしたの?息きらして」
「う、うん…実は」
先ほどのなののことを話す
「そうなんだ…先越されたか」
「え?」
「ねぇ、ユーノ♪」
「な、なに?」
「私と…子供つくろ♪」
「はいぃぃー?!」
これまたとんでもないことを言うフェイト
「ちょ、そういうのは好きな人同士がすることで」
「私はユーノが好きだよ?」
「う…」
真剣に、そう言うフェイト
さすがに、こう面と向かって言われると悪い気はしない
しかし…
「いや、だからといってね?こういうことは…」
「…最近ね、ユーノのことを考えると身体が熱くて…」
「…えっと…」
「ねぇ、ユーノ…」
そう言って、潤んだ瞳で見上げてくる
大抵の男はこれでノックダウンだろう
勿論、ユーノもそうなのだが…
「……!ごめん、フェイト!」
「あ、ユーノ?!」
何とか、理性を保たせその場を後にする

「…ふぅ、危なかった」
フェイトの誘惑を何とか振り切ったユーノ
「ん?ユーノ君やない、どないしたん?」
「あ、はやて」
と、お風呂にいくつもりなのか
その手に桶を持ったはやてに会った
「う、うん、ちょっとね」
「なんや、煮えきらん返事やね」
「いや、実はね…」
と、ここでも同様に説明
「…なるほどな」
「うん、そういうことが…って、何?はやて」
いつの間にか、ユーノの手をとっていたはやて
「今からお風呂へいくんや」
「う、うん、みたいだね」
「せやから、一緒にはいろ♪」
「は?!」
笑顔でとんでもないことを言うはやて
「ちょ、なに言ってんのはやて?!」
「ええやん、女の子の裸堂々見られるんやで♪」
「いや、それは嬉しい…おほん、そうじゃなくて、もっと自分大事にしないとだめ」
「せやけど、なのはちゃんとフェイトちゃんがライバルなんやから
 これくらいせんと、勝ち目ないて」
「は?」
「だまっとったけど…好きなんやで?ユーノ君のこと」
「え?」
「せやから…いこ♪」
「いやいや、それとこれとは別だから?!」
問答無用で連れて行こうとするはやてにユーノは抗う
「ユーノ君にしてみれば、願ったり叶ったりやんか」
「だから、それとこれとは違うの!」
「あ、ユーノ君!」
何とか、振り切りその場を離れるユーノ

「まったく、三人ともどうしたんだ?」
「む?ユーノではないか」
「!…シグナム」
「どうした?身構えて」
「いや、なんか今までの経緯からすると…」
「?」
首を傾げるシグナムに、ユーノは経緯を話す
「なるほど、そういうことか」
「うん、気持ちは嬉しいんだけど…ちょっと、急すぎて」
「…では、私も負けていられんな」
「は?」
と、なにやら変なことを言うシグナム
そして…
「ユーノ、お前は私が護ってみせる
 だから…私と、夫婦になってくれないか!」
「はいいぃぃぃ?!」
「確かに、かわいいところはないかもしれん
 だが、お前が望むことならどんなことでもしよう…だから!」
「いやいやいや?!だから、それって前提おかしいでしょ!」
「ユーノ♪」
「いや、だからやめてーー?!」

その後、何とかシグナムを引き離したユーノは
喫茶室で休憩を取っていた
「…はぁ、いったいなんなんだ?」
考えるのはなのはたちのこと
いきなりあんなことを言い出すとは思いもよらなかった
しかも、どうやら皆本気のようで、余計に困る
「…いやなわけじゃ、ないんだけどね」
「なにがだ?」
「え?」
その声に、顔を上げるとトレイにお菓子をいっぱい載せたヴィータが
ユーノの事を不思議そうに見ていた
「ヴィータ…」
「んだよ?その顔、何かあったのか?」
「あ、うん…実は」
ここでも同様に、今までの出来事をヴィータに説明する
「ふ〜ん、なるほど」
「ねぇ?みんな魔法にかかってるとか、変なもの食べたとか、知らない?」
「いんや…それに、本気だしな」
「え?」
と、いきなり真剣な表情でユーノを見るヴィータ
「なのはたちが言ったんなら、遠慮する必要はねぇな」
「ヴィータ?」
「…ユーノ、ずっと黙ってたけど…その、な
 お前のこと…大好きだ///」
「…え?」
真剣に、そして頬を染めつつ言うヴィータ
「なぁ?私じゃだめか」
「いや、あの、だめ…って、わけじゃ」
「じゃあ…」
「あ、う…って、だめだめ?!それとこれとは別だって!」
「どうしてだよ?本気なんだぜ…これ以上ないくらいに」
「だとしても!」
「あ、ユーノ?!」
そういって、ユーノは脱兎のごとくその場を立ち去った

その後…

「ユーノく〜ん♪」
「ちょ、人前、なのは?!」

「ユーノ♪」
「いや、気持ちは嬉しいけど、それは恥ずかしいから?!」

「ユーノ君、ほら、遠慮せんでええて♪」
「遠慮します!!」

「ユーノ、何か手伝えることはないか?」
「いや、それはいいけど、そのメイド服はやめて?!いろんな意味で!」

「ユーノ、デートしようぜ♪」
「だから、そういう関係じゃないって!」

と、いった感じでそれぞれからアプローチを受けるユーノ
当然、いやなわけではないが
全員少々積極的過ぎる、そのせいで周りの受けはいまいちよろしくない
とはいえ、元はといえば自分の優柔不断さが招いたことなので
自らで解決しなければならないのだが…

「ユーノ君」
「…ユーノ」
「ユーノ君♪」
「ユーノ…」
「ユーノ♪」

「大好き、だよ♪」




「…誰か、解決策を教えてください」

どうやら、ユーノ争奪戦はしばらく続きそうだ…



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あとがき
  はい、というわけでいかがでしたでしょうか
いやぁ、実を言うとこれ結構前にもらったリクでして
まぁ、いろいろあったとはいえこんなにお待たせして申し訳ない…
その分、甘くはしたつもりですんで、どうぞお楽しみください(_ _)

      
 
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