友として


  




「あ、フェイトちゃん」
「ん?なのは」
フェイトが休憩所で一息入れていると
なのはがやってきた
「休憩?」
「うん、ちょうど仕事が一段楽したから」
「そっか・・・・ねぇ、フェイトちゃん」
「なに?なのは」
「ユーノ君ってどういったものが好きかな?」
「え?」
なのはの言葉にフェイトは驚いた
なぜか、そんなのは言うまでもなく相手の好きなものが何か
ということはつまりそういった目で見ているということだ、ユーノを
「な、なのは、それってつまり?」
「えと、ほらいろいろとお世話になってるのに何も返してないでしょ?”友達”なのに」
「・・・・・へ?」
「?」
少々間抜けな顔のフェイトとどうしたの?な顔のなのは
どうやらまったく二人の考えは違っていたようだ
「”友達”として、好きなものを贈るの?」
「うん、友達でしょ?」
「・・・・・・」
なぜかフェイトには今の言葉の”友達”という部分が強調されたように聞こえた
「・・・・そっか」
「うん♪」
満面の笑顔のなのはを見ながらフェイトは心の中でユーノにエールを送った
(ユーノ・・・頑張って!)


その後二人は静かな場所で話を、ということで自室に移動した
「で、なにがいいかな?フェイトちゃん」
「私もそういうのはよく分からないんだけど」
「そう?クロノ君には?」
「お兄ちゃん?・・・あ、えと、クロノにはそんな・・」
「ふふ、別に言い直さなくても」
「だって・・・・」
頬を真っ赤にしながら照れるフェイトは同姓のなのはから見てもかなりかわいく見える
「私もフェイトちゃんみたいにできたらな」
「え?」
「だって、私みんなからは”管理局の白い悪魔”とか、”白い爆撃機”、なんて言われるんだもん」
そう言ってなのはは頬を膨らます
「でも、すごいことじゃない。それだけ期待されてるんだから」
「でも、どうせならフェイトちゃんみたいな二つ名が欲しいな」
「二つ名って・・・・」
ちなみに、フェイトは”疾風の雷撃”と呼ばれている
さらにちなみにフェイトは管理局で妹にしたいナンバーワンにも選ばれている(クロノも一票投じている)
「なんかいいなって」
「そんなこと・・・って、そうじゃないでしょ?ユーノに贈るものを考えてるんじゃなかった?」
「にゃはは、そうだったね」
そうは言うがやはりそこは女の子、特に二人にとっては
こういったことは初めてのこと、よく分からない・・・・そこで


「え?男の子が喜びそうなもの?」
「うん、エイミィ知らない?」
「エイミィさんなら知ってると思ったんですけど」
二人の言葉にエイミィは微笑んだ
「なるほど、なのはちゃんたちもそんなお年頃か〜♪」
「そ、そんなのじゃないですよ」
「それと、私は相談に乗ってるだけです」
「なんだ、つまんないのぉ〜」
そう言ってエイミィは頬を膨らませる
「エイミィさ〜ん」
「ああ、分かってる分かってるって・・・・まぁ、男の子が喜ぶといったらあれでしょう」
「なんですか?」
「自らにリボンを巻いて、もちろん裸で、プレゼントはわ・た・し・・・てね♪」
わざわざそれっぽい表情でエイミィは言った
「そ、それって・・・・」
「・・・・・・」(赤
「あはは、クロノ君ならこれで一発だよ」
「も、もしかしてエイミィさん、実行・・・・」
「んふふ♪効果抜群」
「・・・・そうなんだ」
「フ、フェイトちゃん?!」
なにやら真剣な表情のフェイトになのははわずかに不安を覚えた
「特にお風呂上りにやると即効で押し倒されるかも」
「・・・・・やってみようかな?
「そ、そそそれ以外では何かないですか?!」
これ以上続けるとフェイトが禁断の世界に旅立ってしまいそうだったので
なのはは大きめの声でそう言った
「それ以外?・・・・・・まぁ、なんでもいいんじゃないの」
「え?」
「エイミィ?」
先ほどまでの態度と違いやけにあっさりとそう口にするエイミィに二人は首をかしげた
「ようはさ、ユーノ君が喜ぶものっていうより”なのはちゃんがあげたいもの”でいいんじゃないの?」
「私が・・・あげたいもの?」
「そ、なんだかんだ言って好きな相手からもらえるものって何でも嬉しいもんよ♪」
「そうか・・・」
馬鹿みたいにシンプルだが、確かにそのとおりだろう
好きな相手からのプレゼントならばたとえどのようなものでも宝物になる



翌日

「なのは、渡したいものって?」
「あ、うん・・・これ」
そう言ってなのはは小さな箱を渡した
「開けていい?」
「うん」
「・・・・・・あ」
箱の中に入っていたのはリボンだった
といっても女の子のするようなかわいいものではなく、髪を結うことを目的としたシンプルなものだ
「フェイトちゃんとお友達になったときリボンを交換したから、ほら、ユーノ君いつも後ろで結ってるでしょ?」
「うん・・・」
「えと、いつもいろいろ助けてくれてありがとう、これからも仲良くしてね」
「・・・うん、もちろん。僕のほうこそよろしく」
「えへへ」
「あはは」
そして、二人ははにかむように笑顔を浮かべた




ちなみにその後・・・・・

「?!フェイト、な、何だその格好は!!」
ここはクロノの自室、そこにYシャツ一枚のフェイトがやってきた
「・・・こうすると喜ぶってエイミィが教えてくれた」
「それが、どういう意味になるか知ってるのか?!」
「えと・・・・”私を食べて”・・・だっけ?」
「ぐはぁっ!!」
「お、お兄ちゃん?!」
「・・・みごと・・・だ・・・」
そう言ってクロノは盛大に鼻血を吹きながら意識を失った




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あとがき
 はい、というわけで最後は完璧妄想爆発です(笑)
とりあえず言いたいことはひとつ・・・妹キャラにはYシャツでしょう!
音夢好きのあなたなら分かるはず(笑)
ちなみに、なのはは完璧にユーノを友達としか見ていません・・・・






 
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