強さとは?


「ふん、やはり軟弱な男だ」
「な、何だよ、シグナムいきなり?」
「言葉のとおりだ、男のくせに頼りにならない…嘆かわしい」
「な?!ぼ、僕だってやるときはやるよ!」
「ふん、どうだかな」
「カチン!…わかったよ、もしシグナムが危険になっても助けないからな!」
「お前などに助けられることなどあるわけなかろう」
「ふんっ!」
ユーノはそっぽを向いて歩いていってしまう

その後数日間、ユーノとシグナムは無意識に互いを避けていた
そんななか、ロストロギアの回収任務を受けたシグナムは、単独現地に向かった

「あれか」
シグナムの目の前にターゲットである箱
今回は発動前であるため、何の危険も無かった
「これで終わりか…あっけないな」
そう言ってシグナムが帰ろうと踵を返す、と…
「?!…な、何だ…急に、い、意識…が…」
バタッ!
倒れたシグナムのそばに数人の男が現れた

「…ん?…んん…ここは」
目を覚ましたシグナムは周りを見る、どうやら廃墟のようだ
と、そばで数人の男の話し声が聞こえた
(こいつらに囚われたのか?…数は三人、大したやつでもない…不覚、こんなやつらに!)
自らの不甲斐なさにシグナムは顔をゆがませる
「なぁ、こいつどうすんだ?」
「んなの決まってんじゃねぇか、俺らの宝を横取りしたんだ、相応の罰を受けてもらうぜ」
「へへ…んじゃ、ひん剥くか?」
「ああ、当然だろ?ぶっ壊れるまで犯ってやるのさ」
「なかなかの上玉だしな、楽しめそうだ」
そう言って、男たちは下卑た笑いを浮かべる
これから何が起こるか、シグナムでなくとも一発で理解出来たろう
「どうやら気がついてたみたいだし、泣き叫ぶとこも聞けるか」
「はは、鬼畜だな」
「てめぇも似たようなもんだろ」
(くっ?!こんな下衆どもに!!)
そして、一人の男がシグナムのもとへ…と
ガシャァァァン!
いきなりガラスが割れ、シグナムに手を伸ばしていた男は
そこから飛び出てきた影に突き飛ばされる
「ぐあっ?!」
「なんだ?!」
「…その女性から手を離せ!」
そう言って仁王立ちになっていたのは…
「ユーノ?!」
「すみません、遅れました」
「なんだかわかんねぇが、仲間か?!」
「友達です」
そう言ってユーノは男たちに突撃…
「上等だ!返り討ちにしてやる」
「なめんじゃねぇぞガキが!」
「さっきはよくもやってくれやがって…ぼこぼこにしてやる!」
「来い!」

十分後

「…」
「へん、なんだ弱いじゃねぇか」
「ガキがヒーロー気取りか、バカが!」
「こんな弱いガキが友とはな、はは、笑っちまうぜ」
「…ぷちっ」
と、何かが切れるような音
男たちがそちらを見ると…
「…レヴァンティン」
シグナムが修羅のごとき気迫で仁王立ちになっていた
「な、なんだ?」
「って言うか、縄どうやって?!」
「お、おいなんかやばくねぇか?」
「…貴様ら、死ぬ覚悟はできているのだろうな」
その言葉とともにシグナムは叫ぶ
「紫電一閃!!」
「ぐあぁぁっ?!」
「飛龍一閃!!」
「がぁぁぁっ?!」
「シュランゲバイセン!!」
「ぬあぁぁぁっ?!」
「これで最後だ…シュツルムファルケン!!…吹っ飛べぇっ!!!!!」
「ぎぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ?!!!」
男たちは星となった…


「…ん?」
「気がついたか、気分はどうだ?」
「痛みは、特に…それよりなんかやわらかい感触が…」
シグナムの顔が目の前にあることから、おそらく膝枕をしてくれているのだろう
「…不快か?」
「と、とんでもない?!」
むしろ気持ちよくてずっとして欲しい、とは言えないが…
よく見ると、傷の手当てもしてくれたらしい…まぁ、手際がいいかどうかは別として…
と、ふと見るとシグナムは申し訳なさそうな顔をしていた
「ど、どうしたんです?」
「…いや、軟弱だと言ってしまってすまなかった…頼りにならないなどと…」
そう言ってシグナムは顔を伏せてしまう
「本当に…すまない」
「…」
シグナムにしてはかなり落ち込んでいるようで、見ていてこちらが泣きたくなる
「そんな、僕のほうこそむきになってしまって、すみません」
「いや、お前は先ほどのようなときに助けに入るとは思っていなかったから、それもすまない」
「それは心外ですよ、友達を助けないほど薄情じゃないですから」
「…そうか……ん?そういえば、どうしてあんなところにいたんだ」
「え?!…あぁ…たまたまです」
「たまたま?あんなところにいたのか」
「は、はい…」
(なのはとはやてに追いかけろ、と尻を叩かれたとは言えないよなぁ)
「…スクライア…いや、"ユーノ"ありがとう…ちゅっ…」
「…」
不意にほほに暖かな感触…しばらくして
「な、なななな?!」
赤面するユーノ
「か、勘違いするな!ただの礼だ、他意はないんだからな、いいか?!」
と、言うシグナムも顔が真っ赤だ
「…」
「…」
しばし二人見つめあう…
「…ぷっ」
「…くっ」
そして、二人どちらからともなく笑う
「はは…さぁ、そろそろ帰るか」
「そうだね…あ、ちょっと待って」
「どうした、やはり傷が痛むか?」
「いや、もうちょっとこのままがいいなぁ…なんて」
「………ばか」
赤い顔でそう言うシグナムだったが、希望通り
しばらくそのままでいたのだった


後日

「いやぁ、シグナムって以外に大胆なんよ♪」
「うわ、ユーノもシグナムも顔真っ赤」
「あらあら、かわいいわね♪」
「あはは、ユーノ君かわいい♪」
「シグナムも、こんな顔するんだ」
しっかりと、その場面を撮っていたはやてがみんなに見せて回ったため
ユーノとシグナムは局公認のカップルとなったのだった

めでたしめでたし♪

「めでたくはない!!こんな辱めはあんまりだ!!!!」
「あ、あはは、まぁ予想はしてたんだよね…はやてだから」




----------------------------------------------------------------------------------
あとがき
 はい、つーわけでちと変わった?CPのユーノ×シグナムでした
いやぁ、正直書いてて楽しかった♪
こういう機会をいただき感謝です(笑)
あ、最後は私が勝手に書き足しました、まぁこういうのっていじめるのが常でしょ♪


      
 
inserted by FC2 system