男たちの宴


  

「んじゃ、まずは乾杯といくか」
そういって、ゲンヤは周りを見回す
そこには同じく、グラスを持ったクロノ、ザフィーラ
ヴァイス、ユーノ、ヴェロッサ、グリフィス、エリオの7人
クロノたち大人はビール、未成年のエリオとお酒の飲めないグリフィスは
ソフトドリンクで

なぜみんなして集まっているかといえば
ユーノとヴェロッサの二人がなのは、はやてと婚約をしたということで
お祝いと称した飲み会を企画したわけだ

「しかし、いつになったらって思ってたが、すでにしちまってたとはな」
「はは、なんかその言い方だと語弊があるように思いますが?」
「ユーノも、まさかそこまで進んでいたとはね」
「はは、誰かさんが偉く幸せそうなんで、ね」
「でもほんと、おめでとうっす♪」
「うむ、よかったな二人とも」
「ほんと、おめでたいことですよね♪」
「おめでとうございます、ユーノさん、ヴェロッサさん」
「はは、ありがとう」
「ありがと、みんな」
祝福の言葉に、ユーノとヴェロッサは照れつつも礼を言う

その後、婚約に至った経緯など二人に関する
話をしていたが、だんだん違う方向に逸れていった
…要は、酔っ払いが出来上がっていた

「いやぁ、ほんとなのははかわいいし、器量もいいし、なのは以上の女性なんていないよ♪」
「おや、それは聞き捨てならないね…はやては家庭的だし、明るいし、はやてのほうがいい子だよ♪」
「それこそ聞き捨てならないっすよ、シグナムなんて、普段が普段だからそんときなんかめっちゃかわいいし♪
 すごく気を遣ってくれるし、シグナムこそ最高の女性っすよ♪」
「なのははわざわざ忙しいとこに時間作って、僕のためにセーター編んでくれましたよ」
「それを言うならはやてだってそうだよ、自分も疲れてるのに僕のためにいろいろとやってくれるんだからね」
「だったら、シグナムのほうが上っすよ…慣れないながらも俺のために料理作ってくれたんすから」
と、いった感じで酔った勢いか最愛の人の自慢をする面々
「グリフィス、お前も知らん顔してないで話しに加わったらどうだ?」
「いや、ですけど…」
「まさか、そういったことはないと?」
「…そんなことはありませんよ、悪いですがシャーリーが一番ですから」
「へぇ…」
あまり乗り気ではなかったグリフィスも、振られてしまえば言わないはずがない
「料理の腕はいいし、細かいことにも気を配ってくれるし…いろんな意味で最高のパートナーですよ」
「…ふ、そういうことを言われては俺も黙っていられんな」
酔った勢いか、普段は寡黙なザフィーラも自慢話をし始める
「アルフなど、不器用なくせに俺のために手編みのセーターを作ったり
 忙しいのに、わざわざ料理を作りに着てくれたり、アルフこそ最高の女だ」
「…そうだ、エリオはどうなの?」
「え?」
「ほら、お前だってひとつやふたつあるだろ?キャロちゃんの自慢するとことか」
「…それは、まぁ」
それまでストロベリーサンデーを笑顔でほおばっていたエリオも
ユーノとヴァイスにそう問われ、参戦
「キャロはかわいいし、ちょっとしたことにも気を配ってくれるし
 料理だって、拙いながらも頑張ってくれるし、見ててとても微笑ましくなるんですよ♪」
といった感じで、みんなして自分の彼女が一番だと主張する
そして、なぜか…と言うか、当然と言うかクロノまでも参戦する
「君らには、もっと女性のなんたるかを理解してもらわなければな
 エイミィは、明るく元気だが女性たる慎みはあるし
 料理はうまい、優しいだけではなく、厳しいところもある
 そういったものを兼ね備えたエイミィこそ、最高の女性だ♪」
と、そんなこんなで最高なのは俺の嫁、合戦は数時間に及んだ

その後、子持ちであるゲンヤ、ユーノ、クロノの三人は
子供自慢に突入

「ヴィヴィオはすごくかわいくてね、この前なんか僕のために
 手作りの花輪を作ってくれたんだよ♪」
「僕の子供たちだってそれくらいはしてくれるよ
 うちなんか、料理までしてくれたんだ♪」
「おいおい、それを言ったらうちの娘たちなんか
 俺の誕生日にわざわざプレゼントを贈ってくれたりしたぞ♪
 …まぁ、それはそれで嬉しいんだがあいつらもいい年だし
 彼氏の一人くらい作れってんだ」
「あ、スバルは大地と付き合ってるらしいですよ」
「なに?あいつとか」
「ああ、それ僕も聞きました…なんか、かなり進んでるらしいですよ」
「そうか…まぁ、あいつなら気にせんでもうまくやるだろう」
「信頼してるんですね、彼のこと」
「ばぁか、あいつなら変なことする度胸もねぇだろ」
「はは、確かに」
「でも、合意なら…」
と、ユーノがつぶやいたとたん
「なぁ〜にぃ〜?!」
「?!」
「それがほんとなら…あいつ、一発殺っとかねぇとな」
「いや、あくまで可能性…」
「そうそう、健全な付き合いだって聞きましたから」
なにやら物騒なことをしそうなゲンヤを
ユーノとクロノは必死になだめる
「…まぁ、変なことになってねぇならいいけどな」
「親ばかですね」
「うっせい…まぁ、あいつが残してくれた娘たちってのもあるしな
 …そうだ、ちょうどいい機会だし、お前らにいっておきたいことがある」
そういって、ゲンヤはみんなを集める
「お前らは幸運にも、大切に思えるパートナーに出会えた
 そして、これから一緒に歩んで行こうという気持ちも持っているはずだ」
「…」
「だったら、自分の総てを賭してでも護りきれ!…まぁ、それができなかった俺がいうことじゃないかもしれんが
 だからこそ、お前らのような若いやつにはそうなってほしくない…つっても、強制じゃあない
 お前らにはお前らのやり方があるだろうからな、自分が間違いないと思えるやり方で
 大切なやつを護ってやれ…絶対、後悔するような道は歩むな」
「…」
「…ま、ようは男なら愛した女を泣かせるようなことはすんな、ってことさ」
そういって、ゲンヤは笑みを浮かべユーノとヴェロッサに向かって
「本当、おめでとさん。大事にな、嫁さん」
と、祝福する
そんなゲンヤに倣うように
「シグナムの背中は、俺がずっと護ってく
 たとえ何があってもだ…おめでとさん、二人とも」 
「頼りのない僕ですが、シャーリーのことは護りきります、総てをかけても
 …おめでとうございます、お二人とも」
「守護獣の名にかけ、アルフは俺が護る
 …おめでとう、幸せにな」
「キャロの事をずっと護り続けます、絶対悲しい思いもさせません
 …おめでとうございます、ヴェロッサさん、ユーノさん」
と、愛するものを護ると誓いながら、ヴェロッサとユーノを祝福する
「…ありがとう、みんな…」
「ほんと…いい友人を持ったよ僕らは」
そして、そんな彼らにヴェロッサとユーノは感謝の言葉を述べた

ちなみに、そのころ食事を取っていたなのはたち女性陣が
謎のくしゃみを連発していたことを彼らは知らない…




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あとがき
 はい、どうでしょうか?むさくるしい男性陣は(笑)
まぁ、こういうのは普段やらないし、新鮮っちゃ新鮮かな
一応、男性陣の誓いのようなもんをメインに置いたつもりっすけど
ま、どこにメインをおくかは人それぞれですしね
ようは楽しめりゃそれでいいんですよ(笑)

      
 
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