Wデートの行く先は…


   




その日、偶然休暇が重なった
ヴァイス、シグナム、ヴェロッサ、はやての四人はショッピングへ
本来はヴィータやシャマル、ザフィーラとリイン、それからアギトとラグナ
らとともにピクニックでも、と思ったのだが
彼女らのありがたいお言葉に甘え、Wデートをすることになったのだ
そして、現在ショッピングの真っ最中

「そ、そんなものが似合うわけなかろう!」
「え〜?そうっすか、結構いい線いってると思うんすけど」
「どや?ロッサ、これは♪」
「うん、さすがはやて♪可愛いよ♪」
ヴァイスは服を勧めるが、シグナムはあまり乗り気ではないようで
似合わない、の一点張り
対するはやては次々いろんな服を着ては、ヴェロッサに感想を聞いている
ちなみに、この洋服店、メイド服やチャイナドレス、果てはセーラー服やブルマまで
扱うよく言えば豊富な品揃えのあるお店…逆を言えば、まとまりがないお店だ
「まったく、人には向き不向きがあるだろう、洋服も同様だ」
「そうかな?シグナムには、結構似合うと思うぜ、ここの服」
「せや、せっかくなんやし、女の子してもええんやないのシグナム♪」
「そのとおり、せっかくの機会なんだ、挑戦してみるのも悪くないよ?」
「う、むぅ…」
さすがに、三人にそう言われてはシグナムも分が悪い
渋々ながら、試着室へ

「…どうだ?やはり似合わんだろう」
そういいつつ、試着室のカーテンを開けるシグナム
その身体を包むのは、ひらひらの可愛いフリルの付いた
真紅のゴスロリドレスだった
「いやいや、かわええやないのシグナム♪」
「うん、元が美人だからね、やはり映えるよ♪」
「…」
褒め称える二人に対し、ヴァイスは一言も発さない
「どうした?ヴァイス…やはり似合っていないのだろう」
「あ!いや…可愛すぎて、ちょっと見惚れてた」
「?!!…たわけ、世辞などいらん」
と、言うが顔を真っ赤にしながらでは、照れ隠しにしか見えない
「はあぁ〜♪今日のシグナムは一段とかわええな♪」
「そうだね…ヴァイス君もなかなかやるじゃないか♪」

その後、四人はアクセサリーショップへ
折角だから、と言うことで互いにペアリングを買うことに

「お二人は、いつごろに式を挙げられるんですか?」
「え?」
「は?」
「だって、結婚指輪をお探しなんでしょう♪」
「な?!な、ななななにを!」
「はは、それでもいいかな♪」
「こ、こらヴァイス!」
と、なぜか結婚指輪を探している、と店員に勘違いされる二人

「結婚指輪でしたら、こちらのダイヤモンドをあしらったシンプルなタイプが一番お勧めですよ♪」
「わぁ♪綺麗やな」
「うん、あんまり飾ったのはね…じゃあ、これください♪」
こちらは最初からそのつもりだったようだが…

その後、靴屋に、雑貨店、本屋といろいろと回る四人
途中、ヴァイスの見たいというバイクショップに寄ったり
お菓子用品の買い足しをしたい、と言うヴェロッサについて専門店に寄ったり
そして、当然ながら購入したものを持つのは男性陣の役目だったり

「次はこのお店やな♪」
「さすがです、良いところを選ばれる♪」
と、談笑しながら軽快に歩くはやてとシグナム
その後を少し離れて、ヴァイスとヴェロッサが続く
「暢気っすね」
「まぁ、これも男の役目、と言うことだろうね」
「…それ言われちゃ、なんも言えないっすよ」
「はは…まぁ、これはこれでいいんじゃないかな?」
「…確かに」
と、愚痴をこぼしながらも、それほど苦には思っていなかったりする男性陣であった

その後、さすがに荷物が多くなってきたので
それらを宅急便にて自宅へ配送…便利になったものだ、と思う面々
そして、ちょうど昼時になり、四人は最近オープンした
話題のレストランへと

「はい、あ〜ん♪」
「あ〜ん…うん、美味しいね、このエビドリア」
「そか?」
「うん…じゃあ、お返しに…はい、あ〜ん♪」
「あ〜♪…ぱく…うん、ここのパスタ、いい味出してるな♪」

「…ほら、ヴァイス」
「え?いいんすか?!」
「…主もしているし…ここのカレーはなかなかの味だからな///」
「んじゃ、遠慮なく♪…ぱく…うん、確かに美味い♪」
「ふふ♪そうだろう?」
「んじゃ、今度は俺の番かな?はい、あ〜ん♪」
「な?!」
「ほらほら、ここのオムライス、卵がいい感じだぜ♪」
「…仕方、ないな…あむ…うむ、確かにいい半熟具合だ♪」
と、お約束な展開があったり
料理の美味さに、はやてとシグナムは
これに負けないようなやつを作ってみよう、などと話していた

その後、小物など軽いものを売っているお店などで買い物をしていると
いつの間にか、空に月が昇る時間になっていた

「…ふぅ、何やこういうところもたまにはええな♪」
「ゆっくりと飲みたいときは、確かにいい場所だよ」
「正直、不安もあったが…入ってみると、落ち着いた感じで悪くはないな」
「確かに、このゆったりとした感じは独特なものがあるな…」
四人は、バーのカウンターで、各々好きなお酒を嗜みつつ
ゆったりとした気分に浸る
ここはちょっと普通の人には敷居が高く感じられる高級感のあるバー
実際は、それほど窮屈な感じではなく
ゆったりとした時間の流れる、雰囲気のいい場所だ

「…せやけど、今日は楽しかったな♪」
「はは、そうだね…なんか、久しぶりに充実した日だったよ」
「うむ、普段が普段だからな…たまには、こういった日も必要だろう」
「うんうん♪」
「でも、せっかくやから今度はみんなで来たいな」
「そうだね、みんなでわいわい、ってのもいいかもしれないね」
「ヴィータ辺りは、はしゃぎまくって迷惑になるかもしれんがな」
「はは、それもたまにはいいじゃないか♪」
といった感じで、今日を振り返っての感想
次の予定など、いろいろと話をしていると
時刻は22時を回っていた

バーを出て、月の明かりだけが頼りの夜道を歩く四人
と、見計らっていたのか、ヴェロッサが
「実はホテルの予約を取っていてね…今宵、僕に可愛がられてみないかい?子猫ちゃん♪」
そういいつつ、ホテルの鍵を取り出す
「そういうこと、不意に言わんでほしいわ…ま、せやけど今日みたいな日は、可愛がられるんもええかもな♪」

「…」
「ん?どうした、シグナム」
そんな二人を見ていたシグナムが、不意にヴァイスに腕を絡めた
「…せ、せっかくの夜だ…その…私達も、そういった夜を過ごすのもいいのではないか、と思うのだが?」
と、上目遣いで言うシグナム
「…そうだな、実を言えばそのつもりで俺も予約取ってたんだ…いこうか、マイハニー♪」
「?!…そ、そういうことを言うな、恥ずかしいではないか!」
「はは」
「…ん?ヴァイス君、その鍵」
「え?…あれ、もしかして」
ヴェロッサとヴァイスは、持っていた鍵を掲げる
偶然にも、二人が取っていたホテルは同じだったようだ
「はは、ご一緒に、いうやつやね♪」
「はは、そのようです」
「それじゃあ、せっかくだし四人で一緒に、とかどうだい?」
「あ、いいっすね、それ♪」
「ん〜、確かにおもろそうやね♪」
「ちょ、主?!ヴァイスにヴェロッサも何を?!」
「いやかい?」
「いいじゃないか、今日くらいは♪」
「せや、シグナムももうちょいはっちゃけような♪」
「ん、むぅ…主が、そういわれるのなら…多少は、その…」


どうやら、今宵の恋人達の宴はまだ、始まったばかりのようだ…




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あとがき
 はい、というわけで遅れまくってすんません(_ _)
いや、まぁいろいろありましてね、執筆時間が取れなくって
まぁ、その分、しっかりとした内容に…なってるはず(を
正直、そういうのって読まれた方が判断することっすからね
あまり自信満々にいうと、その分大変なことになりそうだし…
と言うことで、まぁ、楽しんでいただけたならそれだけで…

      
 
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