クリスマスの夜に


  

12月24日
俗に言うクリスマスイブ、恋人たちが甘い夜を過ごす日
家族と楽しく過ごす日
そんな一年に一度のイベント
なのはとユーノも例に漏れず甘い夜を過ごしていた

「はい、ユーノ君あ〜ん♪」
「あ〜ん」
ぱくり、となのはお手製のケーキを頬張るユーノ
「うん、美味しい」
「えへへ、よかった♪」
「じゃあ、お返し…あ〜ん」
「あ〜ん♪」
「どう?」
「うん、美味しい♪」
満面の笑みを浮かべるなのはに釣られ、ユーノも笑みを浮かべる
「でも、よかったの?士朗さんたちと一緒じゃなくて」
「どうして?」
「フェイトやはやてたちも一緒だし、そっちのほうがよかったんじゃないかな、って」
「じゃあ、ユーノ君は私とは一緒にいたくないってこと?」
「えぇぇ?!」
不満そうに口を尖らせるなのはにユーノは困惑顔だ
「あ、いや別にそうじゃなくて、確かに僕としてはなのはと一緒というのは願ってもないし
だけど、なのはにも付き合いというか、やっぱり友達や家族っての大切だし…」
「…ぷっ」
「え?」
「あははは♪ユーノ君かわいい、本気で焦ってる♪」
突然笑い出すなのはにユーノは事態を飲み込めず呆けている
しかし、すぐに…
「騙したの?!」
「あはは、そうじゃないけど結果的にはそうなったかな♪」
「もう…」
そう言いつつもユーノは笑顔だった

それからなんだかんだと時は過ぎ、そろそろ日付も変わろうかという時間
「あ、そういえばプレゼント」
「…いまさら?」
「きついけど…そのとおりだよね」
なのはのきっつい突っ込みに凹みつつも、ユーノはひとつの箱を取り出す
「はい、なのは」
「えっと、なんか見覚えのある包装なんだけど」
「まぁ、そうだろうね」
「じゃあ、やっぱり」
「うん」
なのはの言葉にユーノは素直にうなずく
というのも、以前デートでなのはが目を離せず
30分ほど見入っていたブローチがあったのだ
お店は一流のところだったため、金額の面から諦めたのだ
「これ確かにいいって言ったけどさ、値段って…」
「…正直、1年分」
「やっぱり、受け取れないよそんな高いもの」
「いや、これはなのはのために買ったんだ…受け取ってよ」
「だけど…」
何か言おうとするなのはを制して
ユーノは続けた
「これはなのはに対するお礼も含めてなんだ」
「お礼って…私別にお礼されることなんて」
「ううん、ジュエルシードのときも、闇の書のときもなのははがんばってくれた」
「たとえ、ただフェイトと話がしたい、はやてたちを助けたい、ってことだったとしても
実際それを成すためにしなければならないことは大変なことだ」
「…」
「そして、なのははそれをやって見せた…結果みんな助かった」
「僕はね、最初なのはに逢っていなかったらって思うと怖くなるんだ」
「え?」
「最初は僕の責任だって一人でやろうとしたけど…正直無理だったと思う」
「ユーノ君…」
「だから、感謝の気持ち…それに、彼女へのプレゼントなら妥当だよ」
そう言ってユーノは微笑んだ
「…ユーノ君って、時々そうだよね」
「え?」
「どうしても逆らえない雰囲気にしちゃう」
「そ、そう?別に強要するつもりはないんだけど」
「ふふ…そういう意味じゃなくてね」
そう言うとなのははユーノに近づき軽く口付け
「なのは?!」
「この人に任せておけば大丈夫…って言う安心感」
「…」
「こんなすごいものもらっちゃったら、一生かけてお返ししなきゃね♪」
そう言ってなのはは満面の笑みを浮かべる
「それこそ、僕のほうだよ…だから、これからもずっと一緒にいよう
それで、互いが困ったら一緒になって悩んで、解決する」
「うん、そして互いに楽しいことがあったら一緒に笑って
二人で、歩んでいこう」
「なのは…」
「ユーノ君…」
そして、二人の静かに互いの唇を合わせた


二人が出会ったのは偶然
だけど、必然でもある出会い
これから先、どんな未来が待っているのか
それはわからない…だが、二人一緒ならば
どんなことでも乗り越えていける

そう、互いに想いあってさえいれば…



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あとがき
 はい、というわけでなのはとユーノの初めてのクリスマスでした
いかがだったでしょう、実はここだけの話書き直しなんですよ、これ
ちっと不手際で一度書いたの消しちまいまして(笑)
なんで、多少おかしくなってるかもしれませんが…許してください
そいでは!




 
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