温泉宿で一戦


  




前編




「ねぇ、なのは。これからいくところってどんなところ?」
「自然がいっぱいのところで、温泉からの景色が人気なんだって♪」

「はやてはやて、温泉に一緒に入ろうよ」
「ええな、ほな洗いっこでもしよか♪」

「料理のほうも結構いいようだな」
「みたいね、それからお一人さまお好きな飲み物ひとつサービスですって」
「ほう、それはいいな」

「ねぇ、すずか。サウナいってみようよ」
「う〜ん、どうしようかな・・」
「子供用に温度の低いところもあるって」
「あ、それならいいかな」

と、女性陣はこれからいく温泉宿の話題で盛り上がっている
ただ一人、クロノを除いて・・・・

「GWを利用して温泉に行くのは理解できる・・・しかしなぜ僕までいかなければならないんだ?」
「だって、一応大人の人がいないと・・」
「なのはの言うとおりだよ、にいやも大人でしょ?」
「も、というのは何だ?というかフェイト。その呼び方はやめてくれ」
「なんや、照れてるん?クロノ君」
「はやてまで・・・大体大人随伴なら母さんとかいっぱいいるだろう?」
クロノの言葉に女性陣は一言


「騒げないじゃない」


その後無事に宿に着いた面々は早速温泉に入ることにした

「わぁ〜、すごい」
「ほんと、予想以上だね」
「へぇ〜、なんや自然に囲まれてるいう感じがするな」
「なんかよくわかんねぇけど、いいな、こういうのも」
「早く入りたいですね」
「シグナムったら、もう少し自然を見ようとしなきゃ」
なのはたちはそんなことを言いながら湯船に浸かる
「はぁ〜、なんかいい気持ち」
「うん、そうだね」
「なんか普通のとちゃうな?」
「効能のせいでしょう。温泉にはいろんな成分が含まれているといいますから」
「さすがシグナムやね、よく知っとるわ」
「役にはたたねぇけどな」
はやてに褒められたのが気に食わないのか、ヴィータがそう口を挟む
「もう、ヴィータちゃんったら」
「好きこそ物の上手なれ、だ。お前も多少は教養を身につけたほうがいいぞ」
「なんだと?」
「ああ、もうヴィータもシグナムもせっかくの旅行なんやから、そういうのはなしにしようや」
「だって、はやて・・・」
「ほら、身体洗ったるから機嫌直し♪」
「う・・うん」

と、女性陣がそんな感じで話をしているころ

「ふぅ・・・なんかやっと落ち着けたな」
そう言ってクロノは湯船に深く身体を沈めた
「しかし、まぁ悪くはないか、タダでこんなところにこれるのなら」
「・・・・・いや、待て。それじゃヒモみたいじゃないか」
と、クロノが一人突っ込みをしていると微かになのはたちの声が聞こえてきた

『それにしても、シグナムさんてやっぱりすごいね』
(ん?なのは?)
『な、なにがだ?』
『胸が』
(ぶっ?!)
『な?!な、何を言ってる』
『でも、やっぱりこうしてみると大きいですよね』
『テスタロッサ、お前まで?!』
『はん、おっぱい魔人だもんな』
『お?!ヴィータ!』
(な、なんというか・・・・・そんなに?)
『さわり心地もええで♪』
『あ、主!?』
『マシュマロみたいな感触で、弾力もあって・・』(←自分の世界へ
(ぶっ!・・・・)(←想像して鼻血が出た
『はいはい、シグナムをからかうのはそれくらいで』
『は〜い♪』
『・・・・・不覚』
(・・・・シグナムが手玉に取られるとは)(←まだ鼻血出てます


その後みんながお風呂から出ると別のお風呂に入っていた
アリサとすずかに出くわした
「あ、みんな」
「アリサちゃん」
「ちょうど出たところだったんだ」
「すずかたちもそうみたいだね」
「まぁね、それよりそっちはどうだった?こっちは海が一望できたけど」
「こっちのほうは山が一望できたわ」
「へぇ、それも風流でいいね」
「しかし、一体どういう風になっているのだ?山と海が一望できるなど」
シグナムの問いにシャマルが答えた
「なんでも、ちょうど北側に山があって、南側のほうが海に面しているらしいわ」
「ふ〜ん、自然を上手く利用してるってことか」
「ほぉ?ヴィータにしては珍しくまともな言い方だな」
「んだと?普段はまともじゃねぇってのか?」
「はいはい、二人とも何かあれば喧嘩腰にならないように」
そう言ってシャマルは二人の間に割って入った
「馬鹿なことやってないで、早く部屋に戻ろう」
「そうだね、もうすぐご飯だしね」
「山と海の幸がいっぱいだって、パンフレットには書いてたね」
「へぇ、そりゃ楽しみだ♪」


その後部屋に戻った面々は信じられない光景を目の当たりにする

「・・・なぁ、目の錯覚か?」
「いや、僕の目に見えてるものも同じだろう」
「せやな、きっとみんなおんなじもんが見えとるわ」
そう言ってはやては部屋の中、テーブルの上を見る
そこには山の幸海の幸・・・・・・ではなく、どこにでもある普通の夕食だった

「責任者呼んでこーい!!」
大声でヴィータはそう叫んだ
「ちょ、ヴィータ?!」
「ヴィータ、落ち着け」
「これが落ち着いてられるか!これならはやてのご飯のほうが万倍ましだ!!」
と、そのときちょうど宿の主が戸をあけて入ってきた
「その、お客様・・・・どうされましたか?」
「でめぇが主か?!」
「待て、ヴィータ!相手は一般人だ!!」
今にも飛びかからんとするヴィータをクロノが羽交い絞めにして止める
と、そのうちになのはが主に気になっていることを聞いた
「あの、パンフレットに書かれているものと少し違うような気がするんですが」
「それについてはお詫びのしようもございません」
なのはの問いに宿の主はそう言って頭を下げた
「実は、怪物が現れるという噂が広がり、漁師たちが海に出られないのです」
「怪物?」
「はい、理由はわかりませんが海に怪物が出て船を沈めるという噂が流れているんです」
「んじゃ、その馬鹿怪物のせいでこんな食事しかねぇってのか?!」
話を聞いていたヴィータがそう主に問いかけた
「はい、もちろん我々としてもどうにかしたいと思っております・・・・・しかし」
「確かに、怪物、などといわれれば普通距離をとりたいと思うだろう」
「お恥ずかしながら、お客様のおっしゃるとおりです」
「いや、別に責めているわけでは・・・・」
と、そこでヴィータが立ち上がりこう宣言した
「その馬鹿怪物ぶっ倒す!!」
「なにっ?!」
「馬鹿怪物がいなくなればちゃんとしたのだすんだよな?」
「も、もちろんです。こちらとしてもこのようなものを出すために営業しているわけではありませんから」
ヴィータの言葉に宿の主はそう言った
「よし。いくぞクロノ」
「え?なんで僕・・・・が?」
「いいから、早く行くぞ!」
「ええええ?!」
問答無用でクロノは引きずられていった



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